2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02777
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小西 いずみ 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (60315736)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 終助詞 / 富山方言 / 出雲方言 / 山梨県奈良田方言 / 文献データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、年度当初の研究計画をふまえ、次のことを行った。 (1) 方言終助詞の記述を行った先行研究の収集整理:(1a) 日本語の終助詞を扱った先行研究を収集・整理し、文献データベースを作成した。すでにインターネット上に公開された同趣旨のデータベースも参照・利用し、最近の研究や方言を対象とした研究でそれに漏れているものを補った。(1b) 標準語(全国共通語)および、各地域の任意の代表方言から、方言終助詞のバリエーション、個々の終助詞の体系上の位置づけ(文タイプや、終助詞どうしの承接)、主な意味特徴などを整理した。また、先行研究の一部から、標準語(全国共通語)例文を抽出し、終助詞の体系を把握するための全国共通基礎調査項目の作成を目指した整理を行った。(1b)の調査項目作成作業は、平成30年度も継続して行う。 (2) フィールドワーク(面接質問調査、談話収録):富山県下新川郡朝日町笹川集落、島根県雲南市木次地区、山梨県早川町奈良田集落にて面接質問調査、談話収録を行った(研究計画時は富山県朝日町と広島県三次市を予定していたが、後者に替えて島根県雲南市木次地区、山梨県早川町奈良田集落とした)。調査項目は、(1b)の簡易版、および、その他の項目で成るものである。基礎語彙を含む例文を作成する調査もあわせて実施した。高年層~中年層話者を対象にした。その結果をふまえ、それぞれの方言で使用する終助詞のバリエーションを抽出し、各形式が用いられる統語環境を整理しているところである。また、(1b)の改訂に生かしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおよそ計画どおりに実行している。年度初めに計画していた、(1) 方言終助詞の記述を行った先行研究の収集整理、(2) フィールドワーク(面接質問調査、談話収録)を実施した。(2)については調査予定地域の一つを変更したが、内容上は計画に沿ったことを行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の進捗状況をふまえ、次のように進める。 (1) 方言終助詞の記述を行った先行研究の収集整理:成果の概要に記した(1a)をさらに修正する。また、(1b)のうち、終助詞の体系を把握するための全国共通基礎調査項目のパイロット版を公開する。 (2) フィールドワーク(面接質問調査、談話収録):平成29年度に行った3地点の補充調査を行うとともに、他の地域の調査を行う。成果を学会発表、論文の形で公表する。
|
Causes of Carryover |
物品費のうち図書やPCの金額が、予算よりも小額で必要なものが入手できたこと、また、人件費においてデータ入力の謝金が研究計画時よりも少なくなったことによる。 この残額は、平成30年度助成金と合わせて、消耗品(プリンタートナー、文具など)、ソフトウェアライセンス、図書などで使用する予定である。
|