2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K02777
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小西 いずみ 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60315736)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 終助詞 / 富山方言 / 奈良田方言 / 出雲方言 / 広島方言 / 松山方言 / コーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、年度当初の研究計画をふまえ、次のことを行った。 (1) 方言終助詞の記述を行った先行研究の収集整理:(1a) 日本語方言の終助詞を扱った先行研究の文献データベースに補遺、修正を施した。2021年5月に公開予定である。(1b) 昨年度に続き、標準語(全国共通語)および、各地域の任意の代表方言から、方言終助詞のバリエーション、個々の終助詞の体系上の位置づけ(文タイプや、終助詞どうしの承接)、主な意味特徴などを整理した。また、先行研究の一部から、標準語(全国共通語)例文を抽出し、終助詞の体系を把握するための全国共通基礎調査項目の試作版を更新した。試作版は2021年5月に公開予定である。 (2) フィールドワーク(面接質問調査)、内省による記述:山梨県早川町奈良田、広島県広島市、愛媛県松山市の方言話者を対象とした面接質問調査を行った。また、研究代表者の母方言である富山県富山市方言について内省により記述を行った。調査項目は、(1b)として作成したものを基本とする。基礎語彙を含む例文を作成する調査もあわせて実施した。 (3) 既存の談話資料の調査:COVID-19の影響により(2)の調査が当初計画より進まないため、それを補うために方言談話資料の用例調査を実施中である。 (4) 方法論の検討:COVID-19の影響により臨地調査が難しい状況をふまえ、ビデオ会議ツールなどを用いた遠隔調査の方法を検討、試行した。 (5) 成果の公表、公表準備:上記(1)(2)(4)の成果を、口頭発表、論文、記事として発表・刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により、当初研究計画に含めていた臨地面接調査や口頭発表が実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の終息までフィールドワークは困難と考えられる。そのため、2020年度に引き続いて、(1)代表者自身の富山市方言話者としての内省による記述的研究、(2) 電話やオンラインによる面接質問調査、(3)既存の談話資料の調査で補う。また、文献データベース、共通調査票の補遺、修正を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により臨地調査や学会等での口頭発表が実施できず、予定していた出張が行えなかった。今年度はデータ入力などのアルバイト謝金、コーパス等の利用料、オンライン調査にかかる諸経費に使用するほか、COVID-19が終息した際には調査旅費として用いる。
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Research Products
(8 results)