2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02779
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 博史 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (90315929)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 近代語 / 文法化 / 構文化 / 歴史語用論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度における研究業績は,以下のとおりである。
①論文「「のなら」の成立―条件節における準体助詞―」(『日本語条件文の諸相』有田節子編,くろしお出版,pp.139-155,2017年11月)。②論文「非変化の「なる」の史的展開」(『国語語彙史の研究37』国語語彙史研究会編,和泉書院,pp.325-338,2018年3月)。③書評「森勇太著『発話行為から見た日本語授受表現の歴史的研究』」(『日本語の研究』14巻1号,日本語学会,pp.50-56,2018年1月)。④招待発表「日本語における「使役」文の歴史 <シンポジウム:日本語の「使役性」をめぐって>(関西言語学会第42回大会,京都大学,2017年6月10日)。⑤招待発表「日本語使役文の用法と歴史変化」(第4回「言語変化・変異研究ユニット」ワークショップ,東北大学,2017年8月28日)。⑥発表「「テ形補助動詞」の“文法化”について ―「一方向性の仮説」をめぐって―」(第2回「日本語と近隣言語における文法化」ワークショップ,東北大学,2017年11月19日)。
古代語から現代語への過渡期である近代語に注目したものとして,いずれも重要な成果である。特に,論文①②③については,語用論的観点からの分析結果を多く示している。近年注目を集めている「歴史語用論(Historical Pragmatics)」を意識したもので,関連する諸分野へ成果を発信する試みの1つである。口頭発表④⑤⑥は多くの反響が得られており,この成果については本科研の期間中に活字化する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
論文②については,次年度以降に完成させる予定であったが,予定よりも早く進んだため,発表した。他の関連するテーマについても,当初の計画よりも少しずつ早く進んでおり,現在までの研究課題の進捗状況はきわめて良好といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題については順調に進展しており,引き続き進めていく。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた物品の調達が間に合わなかったため次年度に繰り越したが,翌年度に合わせて執行する予定である。
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Research Products
(6 results)