2019 Fiscal Year Research-status Report
連用節の意味および機能の相互関係に関する記述的研究
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17K02784
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
前田 直子 学習院大学, 文学部, 教授 (30251490)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 条件表現 / 複文 / 日本語教育 / 文法的類義表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は本研究の最終年度であり、これまでの2年間の研究成果をまとめることが目標であった。2019年度、代表者は勤務校より1年間の長期研修の機会を得、国内外の様々な学会・研究会・大学・研究機関を訪問する機会を持った。本年度に行った研究発表は以下の4回である。(1)「現代日本語の表記と文法」中華人民共和国・杭州市杭州富陽区実験中学(5月11日)、(2)「日本語教育のための現代日本語文法研究再考―条件表現「と・ば・たら・なら」の教え方を母語話者の作成分と教科書の例文の比較から考える」早稲田大学日本語教育研究科(7月25日)、(3)「多文化社会における表現リテラシーを考える-学習者の日本語をどこまで許容するか-」(ワークショップ:高梨信乃・高橋美奈子と共同発表)2019CAJLE(カナダ日本語教育振興会)年次大会、カナダ・ヴィクトリア大学(8月6日)、(4)「日本語文法と日本語教育-テ形の作り方と「は・が」の違い-」ミャンマー・国際交流基金ヤンゴン日本文化センター(8月19日)。このうち(2)については、研究論文としてまとめ、学会誌に投稿中である。 本年度は、特に海外の研究機関を訪問した関係で、本研究のテーマである複文の記述的研究にとどまらず、現代日本文法の全体像に関する議論に触れることが多くあった。その成果は以下の2つの概説書の分担執筆に反映されている。(5)『日本語学入門』滝浦真人編著(放送大学教育振興会)執筆担当・第7~9章(2020.3.20)、(6)『やさしい日本語のしくみ-日本語学の基本―改訂版』(くろしお出版)庵功雄・日高水穂・山田敏弘・大和シゲミと共著、執筆担当8,11,16,21,25,27,コラム5(2020.4.1)。 本年度は条件表現に関わって、助詞「は」「が」の使い分けについても複文研究の観点から研究を進めることができた(上記(4)参照)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度の上半期は、これまでの研究成果を発表する機会に恵まれ、それに合わせて研究を順調に進めることができた。この間の研究成果については学会誌に投稿するなどを進め、2020年度に論文として公刊される予定であるが、しかし2020年1月以降、新型コロナウィルス感染症の影響で、国内外の研究機関・図書館等が閉鎖され、研究会等も中止となり、予定していた研究発表や調査を行うことが全くできない状況となった。また、移動制限のため、予定していたアルバイトの雇用などもできず、調査のとりまとめなどを十分に進めることができなくなり、未整理のデータの処理が終了していない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長し、昨年度の下半期に行うことができなかった調査データの整理、予定されていた条件表現・時間表現を中心とした因果関係を表す複文体系の再構築、また複文全体の体系化の見直しに関する考察のとりまとめを行う予定である。具体的には7月までに収集したデータの確認を行い、8~9月にはアルバイトを雇用し、データのとりまとめ作業を完成させた上で、下半期において、これまでの研究成果をまとめ、研究発表あるいは論文の形で発表することを目指す。
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Causes of Carryover |
2019年度、代表者は勤務校より長期研修の機会を得ることとなり、海外研修期間が長くなった。その間も、8月までは、国内外で研究発表をする機会を得て、順調に研究を進めることができた。しかし、9月から12月までの研究成果をまとめた発表を予定していた2020年1月以降、新型コロナウィルス感染症の影響で、研究会が相次いで中止となり、また、国内外の研究機関・図書館等が閉鎖され、予定していた調査を行うことが全くできない状況となった。さらには、移動制限のため、予定していたアルバイトの雇用などもできず、調査のとりまとめなどを十分に進めることができなくなった。そのため、研究期間を1年延長を申請した。2020年度は、昨年度の下半期に行うことができなかった調査データの整理、予定されていた条件表現・時間表現を中心とした因果関係を表す複文体系の再構築、また複文全体の体系化の見直しに関する考察のとりまとめとその発表を行う予定である。具体的には7月までに収集したデータの確認を行い、8~9月にはアルバイトを雇用し、データのとりまとめ作業を完成させた上で、下半期において、これまでの研究成果をまとめ、研究発表あるいは論文の形で発表することを目指す。
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