2018 Fiscal Year Research-status Report
Toward the Compilation of a Japanese-Japanese Dictionary for Learners
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17K02792
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
森口 稔 京都外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (40389094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 惠先 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (40369856)
中山 英治 大阪産業大学, 国際学部, 准教授 (50546322)
坂口 昌子 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60340428)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 辞書 / 日日辞典 / 日本語非母語話者 / 見出し語リスト / 定義語彙 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「充分な見出し項目数を有する学習者向け日日辞典」(以下、本辞書)のコンセプトを提案することを目的としており、それに向けて、見出し語リスト、定義語彙、各項目内の構造の3点を検討している。 見出し語リストについては、語数を決めたうえで、具体的なリスト作成に入る。見出し語数は、既存の日本語関連辞書の一部から必要と思われる語を抽出し、その割合から逆算する。たとえば、既存の辞書の見出し語数が仮に5万語だとしよう。5万語のうち100語を抽出し、その100語中、本辞書に必要な見出し語が30語だった場合、逆算すると本辞書に必要な見出し語数は元の辞書の30%に当たる1万5千語となる。この試算方法により、本辞書には約3万語の見出し語が必要であるという結論に至っている。 実際の見出し語リスト作成には、筑波ウェブコーパスから抽出された『NLT 1.30頻度リスト』を使用する。このリストには、約10万語が含まれているため、そこから頻度や日本語非母語話者の辞書使用場面を考慮しながら、約3万語を抽出する。現在は、頻度順位1~1000位の語と頻度順位9001~10000位の語の中から抽出中である。 定義語彙については、野呂・徳田(2007)が提出した定義語彙リストを使って、実際に語義記述を進めながら調整する。リストの使用についての許可は、野呂氏から非公式に得ているが、作業は未着手である。 各項目内の構造については、難易度、表記、発音・アクセント、語義、用例、品詞、活用形、文法情報、選択制限、コロケーション、語種、レジスター、ニュアンス、慣用表現、複合語、派生語、類義語、反意語、文化的情報、語源を組み込む。これまで、実験的に18語を記述したが、今後、さらなる記述を試み、構造を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度は、研究代表者が別の辞書編纂に時間を取られていたため、本研究が大幅に遅れていたが、2018年度は、その辞書の編纂・出版も完了し、本研究に力を入れることができ、遅れを取り戻しつつある。 しかしながら、研究代表者は、非常勤講師であり、現在、家庭の経済的理由のため、授業数を増やして収入を増やさざるを得ない状況にある。特に2019年度の前期は週13コマの授業があり、7月末までは十分な時間が取れないが、8月以降は、さらに本研究を進めていけると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本辞書に必要な見出し語リストの語数については、一応の結論が出ているので、実際のリスト作成と語義記述を進める。 「研究実績の概要」で述べたように、現在、見出し語リスト作成に着手している。具体的には、代表者・分担者・協力者が本辞書に必要と考える語を『NLT 1.30頻度リスト』から抽出するわけであるが、現在、各自の日常業務が煩雑であり、若干の遅れが出ている。夏季休暇には遅れを取り戻すべく対策を講じたい。 見出し語リストが完成した後に、語義を記述しながら、定義語彙と項目内の構造を検討し、確定していく。見出し語リストの進捗によっては、本研究を1年延長することも視野に入れておきたい。
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Causes of Carryover |
当初は、見出し語リストの作成に際して、アルバイトによる入力作業が大幅に必要になることを予想していた。しかしながら、「研究実績の概要」でも述べたように、筑波ウェブコーパスから抽出された『NLT 1.30頻度リスト』が無料で使用可能であることが分かり、その費用が不要となった。また、「現在までの進捗状況」でも述べたように、2017年度よりは進んだものの、まだ、進捗に遅れが見られ、成果発表も1件のみに留まったため、旅費にも余裕が残った。 2019年度には、研究代表者が、9月のAustra Lex 2019(オーストラリア辞書学会)での発表を申し込み、すでに受理された。加えて、国内の学会等でも発表の機会を探す予定である。
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Research Products
(2 results)