2021 Fiscal Year Research-status Report
日英語ならびに西欧諸語における時制とその関連領域に関する発展的研究
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17K02804
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
和田 尚明 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40282264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 淳也 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20349210)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 時制 / アスペクト / モダリティ / 心的態度 / (間接)発話行為 / 比較研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
和田は、日英独仏蘭語の時制・相・モダリティ・心的態度・発話行為の比較研究の一環として、日英語の話法(直接話法・間接話法・自由間接話法)における時制現象並びにその関連現象の類似点と相違点の分析、英仏語のGO-未来形の比較研究、英蘭語のGO-未来形の比較研究、英独語の現在形の未来時指示用法の比較研究、英語のbe going toのモダリティ・発話行為用法の分析を、包括的時制解釈モデルを用いて行った。渡邊は、日本語並びにロマンス諸語の時制・相・モダリティの比較研究の一環として、分岐的時間モデルによるフランス語の法助動詞の分析、フランス語の接続法の分析、フランス語とコルシカ語の未来時制の比較分析を行った。 本年度の研究会も、コロナの影響で、筑波大学・東京大学での小単位の開催もしくはオンライン開催となったが、その活動記録は以下のとおりである。第1回研究会(和田尚明・志村春香):「Be Going Toの「依頼」用法について」(2021年6月18日) 第2回研究会(森一平):「半過去形と語調緩和」(2021年6月25日) 第3回研究会(井関颯月):「ナラティブ・スペース理論に基づく物語の視点構造と時制表現の日英語対象分析」(2021年7月5日) 第4回研究会(五十嵐啓太):「絵本における読者の視座の変化と表現技法-時制形式の選択を中心に―」(2021年10月17日) 第5回研究会(渡邊淳也):「フランス語とコルシカ語における未来諸時制の対照研究」(2022年3月15日) 口頭発表については、和田がbe going toの「依頼」用法について、第18回国際語用論学会(ウインタートゥール・オンライン開催)で共著発表を行い、渡邊がフランス語の接続法について、日本フランス語学会第334回例会で共著発表を行った。また、本研究課題の報告書を兼ねて研究論文集も刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度も、和田が包括的時制解釈モデルを用いて「日英独仏蘭語の時制・ 相・法・発話行為現象」を、渡邊が「日仏語ならびにロマンス諸語の時制・相・法・発話行為現象」を分析し、課題の最終年度となる予定であったが、一部海外発表(決定済み)の実施が延期されているため、まだ実現できていない。また、昨年同様コロナの影響で対面で一同集まっての研究会はできなかった。しかしながら、それぞれの大学(ならびにZoom)で、研究テーマが近い大学院生を交えて研究会はおおむね予定通りの回数を実施できたし、個々の研究自体は、「研究実績の概要」で示したように、おおむね順調に進んだといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本来なら今年度が課題の最終年度であったが、コロナの影響で本来今年度に延期されていた国際学会Chronos14が再延期されたため、それに向けた準備を行う予定である。 また、例年通り、和田・渡邊ならびにテーマが近い研究者や大学院生も含めた定期研究会を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で2021年度に延期された国際学会Chronos14がさらに延期されたため。次年度に回した金額は、学会参加もしくは研究資料の購入に充てる。
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