2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K02806
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| Research Institution | Niigata University |
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Principal Investigator |
土橋 善仁 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50374781)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 統語音韻インターフェイス / 統語音韻写像 / ラベル付けアルゴリズム / 派生の終結 / 韻律領域 / 音韻句 / イントネーション句 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年の統語理論では、統語対象物(Syntactic Objects: SOs)が適正に解釈されるようSOsにラベル付けをするアルゴリズム(Labeling Algorithm: LA)が主 要な研究課題となっているが、インターフェイスにおけるSOsの解釈の具体的内容については、ほとんど議論されてこなかった。本研究では、音韻部門における SOsの解釈の観点から、統語計算上不活性な要素(ラベル付けに貢献しないSOsや、ラベルを持たないSOsなど)が、むしろ音韻部門では韻律領域として解釈されるという、解釈にもとづく統語音韻非対称仮説を提案し、SOsがどのように音韻部門で解釈されるのか明らかにすることを目的とする。
平成30年度は、昨年度提示したSOsの解釈に関する新たな仮説を検証するために、統語論、音韻論、統語韻律写像に関する文献を精査した。その結果、統語計算上不活性な要素を最小探索で見つけることができるSOsが音韻句として解釈されるという仮説は、概ね正しいことが確認された。また、音韻句に加え、イントネーション句形成の定式化も試みた。当初は、イントネーション句は音韻句に対して適用される再帰的な操作により形成されるとする仮説を立て、様々なデータを用いてこの仮説を検証したが、派生の終結という概念に照らし合わせて音韻的な解釈を受けるSOsを特定することが可能であり、このようなSOsがイントネーション句として解釈される可能性を探った。さらに、音韻句およびイントネーション句は双方ともSOsの線形化の単位として捉え直すことができることを示し、これらの韻律領域を線形化という概念により統一的に説明することを試みた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は、イントネーション句の形成に関する仮説の提示を１つの目標としていたが、これに関し、日本英語学会の春季国際フォーラムのワークショップで口頭発表を行うことができた。さらに、当初の予定より進んで、韻律領域と線形化の関連についての検討も開始した。
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| Strategy for Future Research Activity |
統語対象物の線形化と、音韻句およびイントネーション句の関連を明確にするために、線形化のアルゴリズムを定式化することを目指す。これに際し、引き続き、文献の精査を続けるとともに、様々なデータを参照し、より精度の高い理論構築を目指す。
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