2022 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of Distributed Morphology: With Special Reference to Japanese Onomatopoetic Predicates and English Conversion
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17K02816
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
漆原 朗子 北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (00264987)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分散形態論 / 統語論 / オノマトペ / コピュラ / 形容詞 / 形容動詞 / 複雑述語 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は英語の転換に関する先行研究を批判的に検証し、これまでの語彙部門内での分析が語彙部門での操作を否定する分散形態論の枠組みにおいてどのように分析されるかについて考察を重ねた。 同時に、オノマトペ述語の多くは状態述語であり、漆原の博士論文以来の課題である形容詞類とも密接な関係があるため、2020年度より生成文法の研究課題の一つである主格・属格交替の分析も開始しており、Lina Bao氏(Qiannan Normal University for Nationalities)、牧秀樹氏(岐阜大学)の当該現象の研究に参加、成果の一部を"What Do Mongolian Case-Marked Clauses Suggest?"として日本英語学会第15回国際春季フォーラム(2022年5月14日・15日)で発表し、JELS40に掲載された。漆原も国際学会で単独発表を行った。 岸本氏は日本語の複合動詞(V-V compounds)と相(aspect)に関する研究を国際学会で発表した。複合動詞も標準的には語彙的派生と統語的派生が前提とされてきたが、分散形態論の観点からは再考が必要となる。 本研究期間を通じて、これまで生成文法ではあまり分析されてこなかったオノマトペの諸相や1970年代の語彙論者仮説(lexicalist hypothesis)の下で分析されてきた諸現象について、分散形態論に基づく代替分析を提示した。その結果新たな展開が可能となった。 その一端として、動名詞(verbal nouns)、形容名詞(adjectival nouns)の述語化において一見主要部として振舞う否定接頭辞の現象について研究を進め、2023-2026年度科学研究費補助金基盤研究(C)「日英語の形容詞類の派生と転換:分散形態論による理論的分析」(23K00528:研究代表者漆原朗子)が採択された。
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Research Products
(9 results)