2018 Fiscal Year Research-status Report
Anglicising process of Latin verbal constructions in Old and Middle English
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17K02822
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
小倉 美知子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (20128622)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Old English / Latin / Gospels / syntax |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度はまず、本務校である東京女子大学で開催された日本英文学会におけるシンポジウム『聖書の英語―その特異性と普遍性』を企画していたので、古英語期を担当し、「詩編行間注釈書にみるキリスト教用語の古英語訳」と題して、一対一でない古英語訳、シンタクスを考えた訳の存在を指摘、当該研究の成果の一部を発表した。その2か月後の6月には、近代英語協会での『英語話法に関する史的研究』と題したシンポジウムに参加、「古英語文献における直接・間接話法」と題して、詩における話法に加え、ラテンを訳す際に見られる、間接話法の形を借りた直接話法の存在を指摘した。さらに8月末にはScotland,Edinburgh 大学において行われた国際歴史英語学会において、否定の意味を持った動詞がとる節の内部に現れる否定の要素について発表、この現象は古英語のシンタクスの特徴であるという、従来言われていなかった主張を行った。この学会では、Edinburgh 大学のB.Los教授やM.Laing教授 をはじめ、Glasgow大学のC.Howe教授など、ラテンと古英語・中英語の関係を専門とする教授たちとかなりの時間会談する機会を得た。また、Scotlandから戻っての一週間はLondon とOxford での写本研究に時間を使って、当該研究及びキリスト教語彙を扱う次のモノグラフの準備も行った。発表の成果は順次活字にしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内・国外での発表を通じて、当該研究の成果の一部を専門分野の研究者たちに知らしめて来たので、かなりのフィードバックは得られたと思う。また発表内容は順次活字にして公表するので、研究の終了までにはさらに発表の機会が得られると思う。2018年度は迂言用法に関するモノグラフと、当該研究の成果の一部を発表した2017年Leeds大学での国際会議のproceedings の出版という2つの仕事を完成させることができたので、この後もさらに多くの機会をとらえて、従来の研究が成しえていない古英語文法の真の姿を描くという目標を達成すべく努力していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度にはポーランドでの国際英語正教授学会があり、国際委員としての仕事の他、その本会の前のMedieval Symposium と本会とで、2つの論文を発表する予定である。また、London, Oxford, Cambridge での写本研究も予定している。さらに、スペインとポーランドの別の学会でも発表する予定がある。さらに国内でも日本英語学会と日本中世英語英文学会とで発表すべく応募しているので、これらの発表により、当該研究を完成し、その成果を広く受け入れてもらうべく努力していく。現在、ヨーロッパの複数の学術雑誌のreviewer を務めているので、新しい研究に触れる機会も幸いにして多く、当該研究の完成に役立つと期待している。
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