2018 Fiscal Year Research-status Report
The influence of the markedness on native English speakers' and English learners' production and perception of English lexical stress
Project/Area Number |
17K02828
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
菅原 真理子 同志社大学, 文学部, 教授 (10411050)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 英語の語強勢位置判断 / 英語の完全母音のプロミネンスレベルの判断 / 英語母語話者 / 日本語母語話者 / 韓国語ソウル方言母語話者 |
Outline of Annual Research Achievements |
<論文発表> 英語母語話者(E)、日本語(主に京阪方言)母語話者(J)、韓国語ソウル方言母語話者(SK)による英語の語強勢位置判断に関して、論文を発表した。本研究では、共通の動詞語幹を共有する現在分詞形-ingと派生名詞形-ionの単語のどこに第1強勢を置くかに関して、J、SK、そしてEの3言語話者の間で違いがあることが明らかになった。Eの場合は接尾辞にかかわらず正答率が高く、現在分詞形-ingでは第1音節(語頭)に、派生名詞形-ionでは第3音節(語幹末)にストレス符号を付与するケースが高率を示した。Jの場合は接尾辞に関係なく、一貫して語幹末である第3音節への符号付与が高率を示していた。それに対して同じくL2として英語を学んでいるSKの場合は、Jほどの極端な第3音節への偏向は現在分詞形においても派生名詞形においても観察されなかった。またSKは接辞の違いに関係なく、低率ではあれど第2と第4音節へストレス符号を付与するケースも見受けられ、それはJやEの場合よりも統計的に有意に多かった。これらの結果に対して、いくつかの仮説を提示し、議論した。
<学会発表> 英語母語話者、日本語(主に京阪方言)および韓国語ソウル方言を母語とする英語学習者による英語の語強勢位置判断に関して、国際学会NINJAL ICPP 2018においてポスター発表を行った。上記の論文では、現在分詞形-ingと派生名詞形-ionを比較したが、この発表では動詞原形と現在分詞形-ingの強勢位置判断を比較した。また、アメリカ英語母語話者19名による英語の完全母音のプロミネンスレベルの判断に関して黙読のアンケート調査を行い、第14回目音韻論フェスタにて口頭発表を行った。
<実験> アメリカ英語話者による完全母音のプロミネンスレベルの判断に関して、アンケート調査と発話実験を行った。また、語強勢位置判断に関しても実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
完全母音のプロミネンスレベルの認識に関して黙読に基づくアンケート調査を行うことによって得られた知見、および英語母語話者、日本語母語話者、韓国語母語話者の3グループに対して行った英単語の語強勢位置判断のアンケート調査の結果は、本研究課題にとって意義あるものであり、その意味で順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
英語の強勢位置判断の研究は黙読のアンケート調査に基づくものであるが、今後は発話研究も行う必要がある。すでに英語母語話者と韓国語母語話者に関しては、音声データを収集したが、日本語母語話者の音声データ収集を今後行う必要がある。また、英語の完全母音のプロミネンスレベルの認識の研究に関しては、より多くの英語母語話者を被験者として集め、データを収集していく必要がある。さらに、英語の完全母音の研究に関連して、単語内で隣り合って存在している完全母音の発音を調べるため、ラジオニュース音読コーパスおよび会話における自然発話コーパスに収録されている発話音声の分析を行い、様々な発話スタイルの影響を調べることにも取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
予定していた実験がすべて終了しなかったため、その実験を継続する費用として次年度に持ち越した。
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