2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K02830
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
澤田 治美 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (20020117)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | モダリティ / 疑似法助動詞 / 比較構文 / 時制 / when節 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の計画は、以下のようなものであった。①疑似法助動詞へのアプロ―チが疑似法助動詞の枠を超えて、関連する研究領域にも適用できるように一般化を図る。②研究を言語教育や翻訳などにも応用する。これら①~②の計画に関して、以下のような成果をあげることができた。(i)「国際モダリティワークショップ」を2回開催した。○2018年8月23日~24日(於関西外国語大学)「視点とその移動の概念に基づく「進行形+語りのwhen節(narrative when-clause)の意味解釈」(『モダリティワークショップ――モダリティに関する意味論的・語用論的研究――』発表論文集14, 1-19。とりわけ、このタイプのwhen節に生起し得る「文体的倒置」(stylistic inversion)に焦点を当て、倒置という語順変化を引き起す要因(もしくは、動機)は、心理主体がwhen節の予期しない出来事に遭遇した際の心理的衝撃にあることを明らかにし、「心理的衝撃の原則」(=「語りのwhen節」には、心理主体が当該の出来事に遭遇した際の「心理的衝撃」(psychological impact)が存在する)を提出した。○2019年3月5日~6日(於関西外国語大学)「比較文の多義性――否定比較文を中心として――」(『モダリティワークショップ――モダリティに関する意味論的・語用論的研究――』発表論文集第15, 15-51. (ii)言語教育への応用の場合においては、「意味論・語用論を活かした英語の授業――“x...as y”構文の意味解釈をめぐって――」(『英語学を英語授業に活かす』(池内正幸・窪薗晴夫・小菅和也編、2018、開拓社)に、翻訳の場合においては、『談話分析キーターム事典』(澤田治美・澤田治・澤田淳訳、2018、開拓社)に収録されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究に関して、「当初の計画以上に進展している」と判断する理由は、以下の通りである。 ①研究成果を、2回にわたり、「国際モダリティワークショップ」で発表し、『モダリティワークショップ――モダリティに関する意味論的・語用論的研究――』発表論文集に掲載することができた。また、うち、1回はヨーテボリ大学(スウェーデン)からラース・ラーム教授を招聘することができた。 ②研究成果を、『英語学を英語授業に活かす』、『談話分析キーターム事典』という形で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、本研究で提唱した仮説「テンス、アスペクト、モダリティ、否定の転移効果」が不定詞全般にどのように適用できるのかについて研究する。第二に、進行形+語りのwhen節(narrative when-clause)」について、日本英文学会第91回大会シンポジウム「倒置現象をめぐって」(2019年5月26日)で研究発表をする。第三に、研究の成果を、Oxford Companion to the English Language (2018)(2020年、柊風舎から出版予定)に生かす。
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Causes of Carryover |
2018年8月23日、24日に開催したモダリティワークショップに海外から語用論研究者を招聘する予定であったが、諸般の事情により招聘できなかったため、残額が生じてしまった。次年度は、モダリティワークショップ(公開)のために、海外から著名な語用論学者であるJacob L. Mey教授を招聘し、研究の活性化を図る予定である。
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Research Products
(1 results)