2022 Fiscal Year Annual Research Report
General principles of discursive thematisation of English literary texts
Project/Area Number |
17K02831
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
菊池 繁夫 関西外国語大学, 国際文化研究所, 研究員 (70204831)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | discourse theme / discourse rheme / addresser / text / discourse / fictitious speech act / stylistics |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、言語学のsentenceのレベルで考え出されたinformation structureを虚構発話行為である文学textに当てはめ、sentenceと同様に虚構textレベルでもthematizationの枠組みが存在することを実証しようとするものであった。言語学においては従来はsentenceまでを研究対象とし、さらには後にsentence間のつながりを研究する分析に加えて、一気に自然言語としての発話状況を研究する談話分析にまで研究対象が広がってきている。ただし、その研究対象はあくまでも自然言語についてのものであったため、その方法論を虚構発話行為である文学textにそのまま用いることは無理があった。そのため、本研究ではsentenceを取り巻く虚構の文脈(=text)にsentenceと同じtheme-rhemeの構造を発見しようとし、そこに文学text中に生じる作者による含意を、その作品中で用いられたsentenceに探ろうとした。
本研究の意義を述べると、虚構発話行為である文学textにおけるsentenceを越えた意味単位の存在を証明しようとしたところと、そのことによって従来は別々に行われて来ていた言語研究と文学研究の両領域をつなぐことができるところにあった。
令和4年(2022年)度は、それに加えて、従来の同一研究にもとずく論文をまとめた形で令和4年度中には出版を試みたいと考えていたが、最後に執筆し2022年に末に英国の学術誌に投稿した論文の査読結果が長引いていることにより刊行できなかった。上記論文が掲載されるのを待って、まとめて書物の形で刊行する予定である。刊行はヨーロッパの出版社で、現在いくつの出版社と交渉に入っている。
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