2019 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical research on elastic and idiosyncratic English expressions/constructions in terms of syntactic blends and formularization
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17K02833
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
住吉 誠 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10441106)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フレーズ化 / 変則性 / パタン / 接続副詞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年9月に、『慣用表現・変則的表現から見える英語の姿』を開拓社より刊行した。この企画において、研究代表者は共同編者の一人として全体の統括に参画した。同書には共著論文「慣用表現・変則的表現はどう考察されてきたか」、単著論文「動詞のパタンに見られる変則性」が収められている。本研究課題の成果を報告した単著論文は、tryやassistといった動詞のパタンの変則性を扱い、変則的表現を考える際にフレーズ化という考え方が重要であること示した。assist の変則的振る舞いは help の構文の影響を受けた統語的融合という考え方でも説明できる可能性があることを述べた。 2019年11月に開催された日本英語学会シンポジウムにおいて、add to that とその異形の連鎖表現が接続副詞に使用されている実態を報告し、その変則性や、それらの成り立ちについて考察した。このようなフレーズ的接続副詞は、語と語の連鎖が固まっていくことで新たな機能を獲得すること、その成り立ちは通常の文法規則から考えると変則的であること、このような変則性を考えることがより大きな問題の解明につながっていくことなどを指摘した。2019年12月開催の関西英語語法文法研究会において変則的とされる it is common that節のパタンについての研究成果を口頭発表した。 3年にわたる研究で、have long V-ed 構文、動詞や形容詞のパタン、add to that の連鎖表現など、多種多様な個別の事項を扱った。研究期間前半に行った have long V-ed の考察は、2020年9月出版予定の『コーパス言語学の展望』の第3章の議論に含まれている。本研究は、具体的な現象を議論の遡上に載せ、英語の持つ柔軟性・変則性をフレーズ化・統語的融合といった観点から説明することで、英語の記述的研究の深化に貢献できた。
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Research Products
(4 results)