2017 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive research linking the clarification of the usage of learning tools by Japanese language learners and teachers' education support literacy
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17K02842
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
鈴木 智美 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (70332632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 彰 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (10272618)
藤村 知子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (20229040)
渋谷 博子 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 助教 (30772173)
清水 由貴子 聖心女子大学, 文学部, 講師 (60735851)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スマートフォンアプリ / 学習ツールとしてのウェブサイト / デジタルネイティブ世代の学習者 / 学習スタイルの変化 / ツールのモバイル化と学習のユビキタス化 / 日本語教師の教育支援リテラシー向上の必要性 / 教育支援リテラシー向上のためのワークショップ / 海外の日本語学習者にとってのツール多様性の意義 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果の概要 本研究は、急速にICT化の進む現代社会における日本語学習者(主として大学生)の学習ツール(辞書、スマートフォンアプリ、ウェブサイト、SNSなどの活動)の使用実態をオンラインアンケート調査で明らかにし、その結果を日本語教師の教育支援リテラシーへ結びつけていくことを目的とする。同時に、学習者が多彩なツールを使用しながらも、特に書き言葉で文法的・意味的に的確な表現の産出につまずきを生じている点に着目し、日本語の構文・意味の観点から各種ツールの盲点・弱点を探り、学習者の効果的なツール使用に向け支援策を考えていく。平成29年度の研究成果は以下の通り。(1)2017年6~7月に東京外大留学生を対象にアンケート調査実施、2016年実施調査とあわせ総計220件の回答を得た。(2)東京外大協定校を中心に海外大学の日本語学習者を対象に同様のアンケート調査を実施、英国、セルビア、タイ、オランダ計283件の回答を得た。(3)2016~2017年実施の調査結果に基づき、大学進学を目指す予備教育課程の学習者83名の回答内容からそのツール使用状況を分析・考察し、論文を発表。電子辞書の使用者は少なく、一方よく使用するアプリは50種以上挙げられ、アプリ使用の顕著な拡大と定着の様相が見てとれる。日本語学習環境がデジタル化・モバイル化するとともに、いつどこでも手軽に短時間で情報が得られるようになり、学習のユビキタス(遍在)化と同時に、ツールの発達に呼応して学習者の学習スタイルも変化していることがわかった。(4)2017年度までの国内・海外の調査結果に基づき、日本語教師(日本語教育を学ぶ大学院生等を含む)を対象にワークショップ「ICT時代の日本語学習者はどのような学習ツールを使っているか」を実施。ツール使用者および開発者もゲストスピーカーに迎え、70名近くの参加者により活発な意見交換が行われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
進捗状況 現在、以下の5点について進めている。 (1)2016~2017年に東京外大の留学生を対象に行ったアンケート調査結果のうち、交換留学生を中心とした137名分の回答についての分析、(2)海外の大学において日本語を学ぶ大学生を対象としたツール使用の実態調査(継続)、(3)海外大学における学習者のツール使用状況について分析((2)に基づく)、(4)(1)および(3)の結果についての学会発表準備と論考執筆、(5)日本語教師を対象としたワークショップ(参加型の研究会分科会)の企画・運営
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策 今後、上記7.の進捗状況に述べた各点に沿って順次研究を進めていく。海外大学におけるツール使用調査については、香港、エジプトの大学を対象とする予定。2017年度に実施した海外大学における調査(英国、セルビア、タイ、オランダ)とあわせ、海外大学における日本語学習者の学習ツール使用状況について分析し、考察をまとめる。さらに、日本語の構文的・意味的特徴の観点から辞書等のツールの盲点・弱点、およびその使用のあり方について考えていくことに着手する。
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Causes of Carryover |
航空券価格より出張旅費が抑えられたこと。翌年度における調査結果のデータ処理補助(雇用謝金)等に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)