2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of bilingualism on participation in multilingual and multicultural communities in Japanese universities
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17K02845
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田崎 敦子 東京農工大学, グローバル教育院, 准教授 (10272642)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 留学生 / 日本人学生 / 大学 / 英語 / 日本語教育 / 異文化間コミュニケーション教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、英語で学位取得可能なコースで学ぶ日本人学生と留学生のコミュニケーションを促進するための手段として、英語と初級レベルの日本語の二言語使用に注目し、その効果や必要な能力を明らかにしようとするものである。 これまでの研究で、留学生は学習や研究は英語のみで可能であるが、同じ研究仲間として日本人学生と関係を構築するためには、日本語による日常の経験を共有するコミュニケーションが有効であることがわかった。また、そこで使われる日本語については、言語能力は初級であっても、高度な社会言語能力、社会文化能力が求められることを示した。 最終年度となる2019年度は、研究の総括として、上記の能力を養成するために必要な、留学生に対する日本語教育、及び日本人学生と留学生に対する異文化間コミュニケーション教育における活動デザインを提案し、その教育効果を論文として発表した。 論文は、国内外で活動する関連分野の研究者や教育者から広く評価を得るために、海外の雑誌に英語で発表した。その際、海外の読者も日本の大学のEMI(English Medium Instruction)のコースであえて日本語使用を推奨する背景が理解できるように、日本の高等教育の歴史(西洋の知識を日本語に翻訳して取り入れ、使用言語を日本語に限定した教育)、日本人学生に対する英語教育の課題(コミュニケーション能力の不足、先進国の中で低いTOEFLのスコア)、EMI導入の経緯(一部のプログラムや専攻で実施されてきたため、大学全体で行う英語による学生支援の欠如)、日本社会の使用言語(非常に限られた英語使用)なども詳細に記した。今後は、得られた指摘や評価を踏まえ、さらなる教育の改善を行っていく予定である。
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