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2021 Fiscal Year Research-status Report

日本に定住・長期滞在する子どもの第二言語としての日本語能力に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17K02846
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

西川 朋美  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (50456331)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2023-03-31
Keywords第二言語習得 / 年少者日本語教育 / 助詞
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,幼少時から日本に定住・長期滞在している子どもの第二言語(L2)としての日本語力に焦点を当てる。本研究では,格助詞に注目し,4種類の格助詞(「が」「を」「に」「で」)の産出知識を測るためのテストを作成した。

2年目に,L2日本語話者である子どもが多く通う公立小学校において全校調査(2校,計1300名)を実施し,3年目からデータ分析を開始した。この結果は,4年目に査読を経て『日本語教育』177号に掲載済である。この論文では,日本滞在歴5年以上のL2日本語の子どものみを分析対象としたところ,同年代の日本語モノリンガルの子どもとのテスト結果の間に有意差が見られたが,これは主に語順交替を伴うアイテムの結果の違いによるものであった。

続いて5年目は日本滞在歴5年未満の子どもに注目した分析を行い,2本の論文を執筆した。1本目は,中国語を母語とする子どものみを抽出し,日本語と中国語の文法構造の違いにも言及した議論を行っている。また,北米の移民の子どもが英語をL2として習得する際に形態素(前置詞を含む)の習得に困難を覚えるといった先行研究を引用しながら,子どものL2習得のメカニズムについての普遍性を議論した論考となっている。この論文は,IF のついた国際誌に掲載済である(https://doi.org/10.1515/iral-2021-0092)。2本目は,同じく日本滞在歴5年未満の子どもに注目をしているが,分析対象とするアイテム数を1本目よりも広げ,日本語の格助詞の細かな使い分けについて,より詳細な分析を行い,教育実践への直接的な応用を目指した論考となっている。こちらは,現在修正稿の審査中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究成果をまとめた投稿論文2本がすでに採択済であり,続けて審査中の論文が1本ある。

また,(本研究の主眼はL2にあるが)バイリンガル環境で育つ子どもの言語力については,第一言語(L1)とL2,両言語の能力のバランスを考慮すべきであると考える。そこで,中国語母語話者である研究アシスタントを雇用し,本研究(助詞)と先の科研費による研究(コロケーション)のテストの中国語バージョンを作成し,パイロット調査を行った。コロケーションのパイロット調査については,査読を経て『母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究』第18号に掲載予定である。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題について,5年間の研究成果としては十分な実績をあげているが,特にコロナ禍で旅費が一切生じなかったことで,研究費が予定通り執行できていない。本研究を発展させる形で新たな研究課題も生まれているため,そちらの調査に有効活用する予定である。

Causes of Carryover

コロナ禍による学会延期・中止,またオンラインによる学会参加のため,旅費が一切発生しなかった。この分については,本研究を発展させる形で新たな研究課題も生まれているため,そちらの調査に有効活用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 中国語「動詞・名詞コロケーション」産出テスト開発の試み―JSLの子どもの母語・継承語での調査に向けたパイロットテスト―2022

    • Author(s)
      王丹叶・西川朋美
    • Journal Title

      母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究

      Volume: 第18号 Pages: 未定

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Acquisition of morphology by L2 children in naturalistic environments: A case of Japanese case markers.2021

    • Author(s)
      Nishikawa, T.
    • Journal Title

      International Review of Applied Linguistics in Language Teaching.

      Volume: Online Advance Access Pages: NA

    • DOI

      10.1515/iral-2021-0092

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 中国語の『動詞・名詞コロケーション』の産出に関する研究―JSLの子どもの母語・継承語での産出調査に向けたテスト開発―2021

    • Author(s)
      王丹叶・西川朋美
    • Organizer
      2021年度MHB研究大会,オンライン

URL: 

Published: 2022-12-28  

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