2017 Fiscal Year Research-status Report
日本語学習者のためのプレゼンテーション支援e-ラーニング教材の開発と実践研究
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17K02856
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
坂井 美恵子 大分大学, 国際教育推進センター, 教授 (60288868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 由美 大分大学, 国際教育研究センター, 講師 (80264323)
中溝 朋子 山口大学, 大学教育機構, 准教授 (70305217)
大岩 幸太郎 大分大学, 教育学部, 名誉教授 (90223726)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プレゼンテーション / スピーチ / わかりやすいプレゼン / e-learning教材 / 言い換え表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
伝えたいことを的確に伝えるプレゼンテーション(以下プレゼン)をするために、プレゼン全体の構成を意識し、適切な表現を選択するのに役立つe-learning教材開発に向け、その第一段階として基礎データとなるプレゼンコーパスを作成している。研究の対象を中級レベルの日本語学習者とし、実際に2大学の中級レベルのクラスで行った一般的な話題のスピーチやプレゼンの音声データを収集し、約100人分(1人3分から10分)の発話データの文字起こしを行った。作成したコーパスから、わかりにくいプレゼンの一因となっている難しい語彙やコロケーションの誤用及び正用を抜き出した。それらを分析した結果、わかりにくさの原因を次のように分類した。 (1)漢語動詞の多用、(2)漢語名詞の多用、(3)書き言葉の使用、(4)カジュアルすぎる言葉の使用、(5)自動詞と他動詞の混同、(6)コロケーションの誤用 本研究では、わかりにくい表現をより簡単で身近な言葉で言い換える教材作成を目的としており、今年度は言い換えリストを作成した。 また、プレゼンの構成に意識を向けた発表原稿を作成させるための談話型タスクを考えた。その際、プレゼンの種類を情報提供型(紹介や説明など)と意見表明型(問題提起や提言など)に分けた。タスクの手順は、まず、大きな枠組み(導入→本論→結び)を提示する。次に、トピック毎に、枠組みの構成を示すキーワード(例えば、導入では{あいさつ、トピック紹介、聴衆への呼びかけ、列挙、理由}など)を与え、学習者自身にどのような構成にすればよいかについて考えさせる。そして、キーワード毎に提示される発表文型の中から適切なものを選択させる。最後に必要な語句や文を補い発表原稿を完成させる。これらのタスクを作成予定のe-learning教材に反映させる。 以上の研究をまとめ、次年度に日本語教育国際研究大会において発表を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プレゼンコーパスの作成、練習問題に採用する正用と誤用の語彙リストの作成と分類、言い換え表現の決定などに時間がかかったこと、及び、プレゼンの構成についても新たに教材に含めることにしたため、これらを反映したe-learning学習システムの基本設計の作成に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
プレゼンの文字起こしの作業を引き続き行い、プレゼンコーパスの充実を図る。そして作成した語彙リストと言い換えリストに基づき、トピックに分けて練習問題を作成する。また、プレゼンの構成についてもさらに分析を深め、枠組みの構成を示すキーワードと発表文型についてリストを完成させる。それらを基にシステムの基本設計を行い、e-learning教材の試行版の完成を目指す。
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Causes of Carryover |
コーパスデータの作成と練習問題の作成に時間がかかったため、また、新たにプレゼンの構成についてのタスクを教材に組み込むことにしたため、今年度予定していたシステムの基本設計が遅れ、次年度にシステム設計の発注を行うことにした。それに付随し、サーバー用のパソコンの購入も次年度に行いたい。
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Research Products
(1 results)