2021 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Systematization of Incidental Vocabulary Learning Using Topic-Based Intensive Reading
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17K02860
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
橋本 直幸 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (30438113)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 読解教育 / 多読 / 話題・トピック / コーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2021年度は、これまでに作成した「日本語教科書読み物データベース」の更なる拡充と、これを利用した読解教材の分析作業および論文執筆、研究発表を行った。データベースは2021年12月時点で、日本語教科書223冊分、4,200の読み物を収録している。2021年度はとくに古い時期の日本語教科書を充実させることに力を入れ、1970年代刊行の読解教科書も新たに追加している。論文においては、データベースの目的や概要、期待される活用法について述べた。期待される活用法として、「教育現場での活用」と「日本語教育研究での活用」を提案することで、当初予定していた話題別多読での活用だけでなく、教材研究のためのデータベースとして活用することも提案した。そして研究発表においては、後者の研究利用という観点から、これまでに刊行された読解教材を10年毎3期間に分けた上で、「話題」と年代別の読解教材の関連と推移、レベル別読解教材における話題の分布と偏り、そして、先行研究で示された話題の難易度と実際の教科書におけるレベル別話題との関係について、検証を行った。この検証結果については、今後論文として発表予定である。 申請時に予定していた、話題別多読による効果的な語彙学習の検証については、コロナ禍により、検証に応じてもらえる適当なレベルの学習者の協力が得られなかったことから、実施には至らなかった。日本語教科書を用いた話題別読解は、著作権の関係から教科書の複写を使用することができないため、教科書そのものの貸し出し等により実施せざるを得ず、オンラインでの日本語授業や日本語学習が増える中での実施が現実的に難しいことが明らかとなった。今後の課題とし、以後の研究につなげていきたい。
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Research Products
(2 results)