A longitudinal study on how secondary school students develop biliteracy in Japanese ad English

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K02861
• Research Institution: Hokkaido Bunkyo University
• Principal Investigator: 佐野 愛子 北海道文教大学, 外国語学部, 准教授 (20738356)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: バイリテラシー / 継承語教育 / リテラシー

Outline of Annual Research Achievements

本研究は「日英バイリンガルの中・高校生の二言語における書く力はどのように関係しあい、滞在年数・母語を離れた年齢及び家庭使用言語及び現地校・継承語教育機関などにおける作文教育などの要因はその発達にどのような影響をあたえるのか」という大きな研究課題（以下、主研究）の事前準備としての小規模調査を目的とするものである。
この目的を達成するため、29年度の研究では、イギリス及び香港において①保護者及び本人との面談、②在外補習授業校の教員、③現地校で教鞭をとる教員、への面談を通じて主研究で行う半構造化インタビューの項目をそれぞれ抽出すること、および④文献整理を行った。これに続く30年度の研究では、上記4点に加え、北米・ヨーロッパ・および国内の3つの異なるフィールドにおける日英バイリンガル家庭に対するインタビュー調査および授業観察につながるインタビュー調査を行うことを目指していた。しかし、同僚の休職に伴い担当する科目が急遽大幅に増加したことなどに伴い、30年度はフィールド調査に出かけることが極めて困難な状況になった。そのため、主に文献整理とすでに入手していたデータの書き起こし・および分析を行いつつ、31年度に行うデータ収集に向けての準備を行い、国内（ニセコ町）におけるインタビュー調査及び、イギリスにおけるインタビュー調査についてすでに確定し、加えて英語が社会の主要な言語となっていないヨーロッパの地域（スペイン）におけるデータ収集の可能性について検討を進めている段階である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

29年度までの研究課題の進捗状況としては、初年度のデータ収集が予定より早いペースで進んだこと、その分析はやや遅れ気味だったことから総合的に判断しておおむね順調に進展している、となっていた。30年度を終えた現時点では、やや遅れていると言わざるを得ない。その理由は上述のように、本務校における業務（特に講義数）の想定外の増加により、フィールドに出ることがほとんどかなわなかったことによる。ただ、その間全く研究が停滞したわけではなく、文献整理及びデータの分析が進められたことは一定の成果と認められ、31年度の活動の基盤としては十分整った状態ということができる。

Strategy for Future Research Activity

31年度については30年度にかなわなかったデータ収集からその分析・報告に至るまで一気に進めなければならない状況となり、相当の比重をかけてこの研究を遂行する必要があると考えている。新しい職場に移り、職責も増加しており、研究以外の業務の比重も高くなりがちではあるが、特に夏季休暇を中心に精力的にデータ収集に励み、研究の成果をまとめたいと考え、すでに国内外でのデータ収集のためのフィールドワークの原案を作成したところである。また、当初予定していた完成年度の報告会としての性格とは異なることが想定されるものの、識者を招いた国際シンポジウムを開催したいと考え企画している。

Causes of Carryover

今年度多額の残高がでた最大の理由は、上述の通り本務校における業務（特に講義数）の想定外の増加により、フィールドに出ることがほとんどかなわなかったことによる。予定ではイギリス・ヨーロッパ及び北米におけるデータ収集をそれぞれ一回程度行うことにしていたが、そのどれも実施することができなかった。その分の経費は今年度早い段階でのデータ収集に使用する予定である。また、本務校が変更になったことに伴い、研究室で使用するためのPCの購入が必要になった。これについても、繰越した中から支出する予定である。