2018 Fiscal Year Research-status Report
日本語教師のための協働的内省ツールの開発:個人と組織の相乗的発展を目指して
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17K02869
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
トンプソン 美恵子 (平野美恵子) 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20401606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 孝卿 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 准教授(任期付) (30467063)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 協働的内省 / 内省の可視化 / 内省の構造化 / ワークショップ / ワークショップ担い手の育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、1)当該科研でのワークショップに関する研究発表、2)より現場の体制を反映させた教師のふり返りワークショップの開催、3)ワークショップの担い手育成を行った。 第一に、タイのコンケン大学日本語教育課程における実習生を対象とした初等・中等教育機関でのチームティーチング内省ワークショップ(2017年度実施、38名)の実践報告を行うとともに、そこでの実習生による内省の様相を示した。分析の結果、KPT(Keep, Problem, Try)チャートを用いてチームごとに内省することにより、実践の課題と今後の目標が構造的に可視化されていたことがわかった。一方、Problemに挙げられた事柄のうち、Tryの具体的な目標につなげられていないものもあり、課題の整理をワークショップの中でより体系的に行う必要性も見出された。なお、本研究はベネチアで開催された日本語教育国際大会で報告済みである。 第二に、上述のフィールドにおいて、初等・中等教育機関でチームティーチングを行う先輩教員と実習生が協働で実践を内省するワークショップを10月に行った。これまでのワークショップでは、実習生間のみでの内省で、彼らの認識を派遣先の教育機関に発信したり、そこでの教育改善に生かすことに若干の困難があった。そこで、彼らの指導を務めながら共に授業運営を行う現地の教員にもワークショップに参加してもらい、現場のチームティーチングに関わる多様な教員がともに内省する場を創造した。データとして収集した彼らのふり返りは、これから分析していく。 第三に、上述のワークショップで、研究協力者であるコンケン大学の教員2名が中心となって進行を行った。事前に提供したPPT資料などワークショップで使用する資料をたたき台として、打ち合わせ時に協議して修正を加えてより現地のニーズに合ったものに改良した。事後のふり返りレポートを今後分析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国外での協働的内省のワークショップ実施およびその分析に想定した以上に時間を要し、またデータの量も多いため、国内でのワークショップ実施に至っていない。また、国外においても、計画では10月に加え2月に代表者が渡航して行うことになっていたが、双方の学事暦等の事情により実現できなかった。ただし、研究協力者によってワークショップは実施されたため、データの共有と分析は今後行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
国外でのワークショップについては、その枠組みが整いつつあるため、引き続き担い手育成とともに進めていく。国内については、本科研では少数のデータ収集にとどめることにしたい。
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Causes of Carryover |
先述した通り、国内でのワークショップ実施、並びに国外での教育実習終了時ワークショップへの出張が当該年度行えなかったため、次年度使用額が生じた。次年度においては、国内での小規模ワークショップを実施するとともに、国外フィールドで収集・蓄積されたデータ分析のために出張する旅費などに使用する。また、ワークショップで用いる内省枠組みのソフト開発を検討中である。
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Research Products
(1 results)