2019 Fiscal Year Annual Research Report
'Plurilingual child-rearing' by overseas Japanese residents - from an interview survey on Japanese residents in Ireland
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17K02870
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
稲垣 みどり 東京国際大学, JLI, 講師 (70769786)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 複言語育児 / アイルランド / 在留邦人 / ライフストーリー / 現象学 / 本質観取 / 質的研究 / 子育て |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度が最終年度となった。今年度は、2018年5月にアイルランドで行なった親達を対象としたワークショップのデータをもとに、2019年3月に言語文化教育研究学会の年次大会にて口頭発表を行い(金泰明との共同発表)、論文化した(金泰明との共著。2019年12月『言語文化教育研究』19号掲載)。また、2019年8月にベオグラード大学で行われたAJEシンポジウムにおいても、当該データを用いて違う観点から口頭発表を行った(単独発表)。今年度も現地調査に赴き、2020年2月にアイルランド、コーク市で複言語育児を実践する親達を対象に、1.子育てとは何か、2.我が子に身につけてほしい言葉の力とは何か、というテーマで、本質観取のワークショップを行った。さらに、自分が博士論文似て建てた分析概念である「複言語育児」の概念を用いて、ワークショップの中で、「複言語育児」とは何か、の本質をめぐる問いについて、現地の父母と一緒に考えた。 研究期間全体を通じて、アイルランドには計5回研究調査に足を運び、現地でのインタビュー調査やワークショップを実施した。また、インタビューで得たデータを学会等の発表や論文等に使用する場合には、現地の調査協力者と密に連絡を取り合い、できるだけ現地に足を運び、調査協力者に直接面会して、該当部分のデータの使用について、許可を求めた。研究機関全体を通じて最も留意したことは、研究の成果の還元の仕方である。学会発表や論文の発表を通じて、研究者に発表する形での還元だけでなく、日本から離れたアイルランドで、日本語を含む複薄言語での育児に日夜はげむ現地の親達に対して、どのように還元できるかを考えた。その結果、哲学対話の方法である「本質観取」に基づく親達のワークショップを開催し、親たち同士の交流の場を設けた。調査地のアイルランド、また調査協力者達には成果を還元することができたのではないかと思う。
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Research Products
(6 results)