2017 Fiscal Year Research-status Report
アカデミック・ライティング技術の習得を目指したピア・レスポンスの実証的研究
Project/Area Number |
17K02878
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
烏 日哲 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, プロジェクト非常勤研究員 (00781220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村岡 貴子 大阪大学, 国際教育交流センター, 教授 (30243744)
石黒 圭 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 教授 (40313449)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ピア・レスポンス / アカデミック・ライティング / 協働学習 / ディスカッション / 日本語学習者 / 作文 / 教室談話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本語で本格的な論文を書いたことがない16名の留学生を対象に、ピア・レスポンスによってどのように日本語による論文の書き方を学んでいくのかを、作文、ディスカッション、教師の添削とコメント、インタビューの四つの角度から次の3点について明らかにする。 ①作文へのディスカッションの影響:グループ・ディスカッションで他の参加者のどのようなアドバイスが作文の推敲に影響を与え、それを執筆者が作文の修正にどう生かしたのか。②作文への教師の添削・コメントの影響:学習者の作文に対して教師が行った添削やコメントを、どの程度、どのように取り入れながら学習者は推敲を行ったのか。③ピア・レスポンスをめぐる意識の変容:授業に参加した学習者が、自分の書いた作文や授業のスタイル、日本語による研究活動をどう意識し、その意識がどう変容したのか。 この3点の考察結果から、日本語の論文を書いた経験に乏しい学習者が、どのような葛藤を抱きながら、どのようなストラテジーを用いて日本語による論文の書き方を身につけていくかを解明したい。 2017年度は、上記のデータをBTSJ(基本的な文字化の原則)に従って文字化を行い、分析環境を整えた。研究成果発信の実績としては、文字化が終了しているインタビューデータなどを用いて、1件の論文、2件の学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
収集したデータの文字化、BTSJ(基本的な文字化の原則)に従ったデータの整備が予定通り進んでおり、インタビューデータを用いて、3件の研究成果を発表できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は、現在進行中のデータ整備作業を完了し、文字化されたディスカッションのデータ、教師による作文の添削・コメントを、学習者が書いた作文と照合する。その分析結果を学会等で発信する。
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Causes of Carryover |
技術補佐員の雇用開始が交付申請時の想定よりも遅くなったため、人件費に差が生じた。 平成30年度に実施する文字化作業の謝金として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)