2019 Fiscal Year Research-status Report
中・高等学校での英語授業における英語によるアクティブラーニングに関する研究
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17K02889
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
宮迫 靖静 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60713526)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アクティブラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,中・高等学校の英語授業におけるアクティブラーニング(AL)の改善を目指し,(1) ALの理論研究及び効果に関する実証研究の概観,(2) 中・高等学校の英語授業における教師・生徒の英語使用及びALの実態調査,(3) 調査に基づく英語授業におけるALの提案,(4) 提案に基づく授業実施とその効果検証,を目的とする。この4点に関するする実績は次のとおりである。 (1) 平成29年度に,(a) 海外ではALの有効性が検証されているが,国内では殆ど検証されていない,(b) ALにおいて協同学習(CL)の果たす役割が大きく,国内の代表的なALの実践では,CLの原理が概ね反映されていること,が示された。 (2) 英語使用に関しては文科省の全国調査が有り,ALの実態については,予備調査において,英語授業におけるALは検討段階であることが示され,実態調査が不要であると判明した。 (3) 平成30年度に,大学生及び高等学校英語科教員を対象として, (a) 中規模の講義形式の授業では,CLに対する認識及びリスニングに対する動機づけが幾分向上した,(b) 小規模の演習型授業では, CLに対する認識及びスピーキングに対する動機づけが向上した,(c) 高等学校英語科教員は,CLに概ね肯定的であり,CL実施状況とCLに対する肯定的な認識には関係がある,等が示された。 (4) 令和元年度は,中・高等学校のおける多忙な業務状況の中で,CLに基づくALに関する提案を実践・検証する協力校を見つけることができなかったが,大学生対象のCLに基づくALに関して成果をまとめた。また,「主体的・対話的で深い学び」としてのALにおける学びの深さに関する提案を行った。更に,直近の10年間で,外国語として英語を指導している国々において,CLが英語スキル・能力の向上に及ぼしている影響に関するメタ分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的 (1) は平成29年度の研究で実施し,目的 (2) に関する調査は不要となった。平成30年度の研究では,目的 (3),(4) に関して,中・高等学校に先駆けて,大学生対象の英語使用による授業におけるCLに基づくALを実施・検証し,中・高等学校の英語授業にCLに基づくALを提案・実施する上で参考になった。また,高等学校英語科教員のCLに対する認識は概ね肯定的であり,CL実施状況との間に関係があることが示された。 令和元年度の研究では,目的 (3),(4)に関して,中・高等学校におけるCLに基づくALの提案・実施が容易ではない現実に直面したが,大学における実践をまとめ報告をした。また,「主体的・対話的で深い学び」としてのALにおける学びの深さに関する提案を行った。目的 (3),(4)に関する計画を修正し,中・高等学校におけるCLに基づくALに関する提案を目指す中で,主体的側面と深い学びに関する側面に焦点をあてる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和 2 年度では,過去3年間の研究に基づき,中・高等学校の英語授業において,生徒の英語使用の進めるCLに基づくALの提案をする。その提案においては,CLの要素に加えて「主体的・対話的で深い学び」としてのALの学びの深さ及び主体的側面を加味する。まず,中・高等学校の英語授業を念頭に,CLを反映する英語使用で機能するタスク(グループ活動)の基本形を提案し,具体的に,教科書に基づく授業の中で使えるタスクを示す。この対話的なタスク活動をとおして,学習者が主体的に学ぶべくメタ認知的な要素及び深い学びに繋がる精緻的な要素を含有するALを提案する
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Causes of Carryover |
研究の進捗としては,3年度目の計画修正が必要となり,令和元年度予算の使用も縮小となった。このため,研究を1年延長した最終年度の使用額となった。
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Research Products
(6 results)