2018 Fiscal Year Research-status Report
英語授業学研究(学習者の英語運用能力を促進する授業実践の定式化)
Project/Area Number |
17K02896
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Research Institution | Bunri University of Hospitality |
Principal Investigator |
鈴木 政浩 西武文理大学, サービス経営学部, 准教授 (10316789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 一枝 宮城大学, 基盤教育群, 准教授 (40639043) [Withdrawn]
望月 好恵 国際武道大学, 体育学部, 教授 (80448919) [Withdrawn]
阿部 牧子 東京富士大学, 経営学部, 准教授(移行) (60793114)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 英語授業学 / 楽しさの要因をふまえた望ましい英語授業の枠組 / リメディアル / グローバル / 英語運用能力 / 量的研究と質的研究の循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,望ましい英語授業の枠組を提案し,その成果や効果を検証することにある。初年度の研究実績にもとづき,2018年度は次の点について研究を進めた。 まず,質的研究を取り入れた。分析手法として,自由記述データから語彙を抽出し,出現頻度や語彙相互の関連から記述内容について特徴を示すテキストマイニングを採用した。この手法により,学習方略を配置したシラバスとポートフォリオを統合した授業について,学生の自由記述データの分析を通じ授業の成果を検証した。その結果,比較的英語学力が低い大学生(英検3級の取得が困難である程度)でも,CNN等海外のニュース番組を教材とすることが可能になることがわかった。特に理解から運用につなげるために取り入れたフレーズサイトトランスレーション(短い日本語フレーズを見て英語に直す活動)が,ライティングや英語プレゼンテーションの能力につながることがわかった。 また,英語基礎学力を形成する視点から,語彙指導の発展過程を枠組として提案した上で語彙リストの作成に着手した。英語カタカナ語(借用語),中学高校基本語彙,語源から理解する語彙,単語部品(unpleasantlyであれば,un pleasant ly)による語彙,およびそのword family(派生語)へと語彙リストを発展させ,日本人学習者に特化した語彙リストの作成と語彙定着の可能性を模索している。このリストは,リメディアルレベルの英語指導をグローバルな授業へと発展させることを目的としている。 その他,当初提案していた枠組に加え,複数の枠組の提案を行い,思い付きや自転車操業に陥らない授業の発展過程を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
語彙指導の枠組の提案後膨大な量の語彙リスト作成およびリストを使用した学習効果の検証に予想以上の時間を費やしたことが原因として挙げられる。また,すでに提案した枠組の他,予想以上に多くの枠組を提案するに至ったが,枠組に応じた授業案の作成に労力を費やし,授業を実践するために当初の計画以上の準備が必要となったことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初考案していた枠組に加え,理想EFL自己像形成にもとづく枠組,Motivational Strategiesの枠組,CLILの枠組,語彙指導の枠組,CFERのCan-do Listを適用した枠組,Cognitive Questionsを活用する枠組等について具体的な提案をし,授業実践事例の構築を進めること。次に,量的研究と質的研究を循環させる授業改善の進め方について提案を行うこと。授業の効果測定については,過去に別々に実施した量的研究と質的研究を循環させ,統計手法を使用した分析と授業参加者の自由記述の分析により授業の発展過程の効果を検証する。 英語運用能力を育成する指導法の考え方として,初年度に技能の連動性(4技能それぞれの下位技能をリスト化し,相乗効果の認められる下位技能の組み合わせにより効果が促進されるという考え方)についての提案を行った。今年度は内外の文献や過去の授業者の知見を集め,授業実践事例の構築を進める。部分的に授業実践へと取り込み,その効果を検証する。
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Causes of Carryover |
2019年度より新たな分担者が加わることが確定したこと,個人研究費で賄える部分や,内外の共同研究費を得た研究が科研費研究と関連していたことなどの理由により,2018年度はできるだけ出費を抑えた。また,科研費研究の成果は書籍として出版することを目指していることから,その出版に関わる出費に備える必要があった。 2019年度の使用計画としては,新規分担者への分担金支出,出版に関わる諸経費のねん出等に使う予定である。
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Research Products
(11 results)