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2017 Fiscal Year Research-status Report

On the Learning Effects of Possible Expressions in Modern Chinese-An Empirical Analysis based on Introduction and Data Acquisition

Research Project

Project/Area Number 17K02900
Research InstitutionAtomi University

Principal Investigator

安本 真弓  跡見学園女子大学, 文学部, 准教授 (40533576)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉田 泰謙  関西外国語大学, 英語国際学部, 准教授 (70468982)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords中国語可能表現 / 可能助動詞 / 可能補語 / 学習者測定テスト / 教員アンケート調査 / 現行インプット / 理解可能なインプット / 第二言語習得
Outline of Annual Research Achievements

研究初年度となる平成29年度は、おもに次の5点に関する研究成果が得られた。
1.教科書データの入力、加工、初歩的なデータベースの構築。2.可能助動詞及び可能補語の習得状況を把握するための学生向け小テスト(無記名式)の実施。3.可能助動詞及び可能補語の教授状況を把握するための教員向けアンケート(無記名式)の実施。4.学生向け小テスト結果の集計及び分析。5.研究成果の報告及び論文発表。
1については、入門レベルから上級レベルまでの中国語教科書計19冊を対象に、可能助動詞及び可能補語に関する説明部分及び用例をすべてデータ入力し(約8万字)、教科書における可能表現に関する文法解説・記述内容及び用例の全体像を初歩的に把握するとともに、このデータをもとに「学生向け小テスト」を作成した。2については、約530名の大学生(計8大学、1回生から4回生まで)を対象に、習熟度に応じて「可能助動詞のみ」または「可能助動詞と補語」のいずれか一方の小テストを受験してもらい、被験者の中国語可能表現習得状況に関する測定を行った。3については、10名の大学教員(計7大学)の協力のもと、中国語可能表現を教授する際の指導法及び問題点、学習者の理解度・定着度が低い項目や内容、テキストに記載されている文法説明及び用例に関する問題点などをアンケート調査した。4については、3で得られたデータをもとに多角的な集計を行い、学習者が中国語可能表現を習得する過程においてどこに難点を感じているのか、また母語となる日本語が如何なるメカニズムで干渉しているかなどを探る上で重要な鍵を握ると思われる現象を抽出することができた。5については、上記の調査・分析・考察等を通じて得られた知見を研究報告と論文発表の形で発信することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成29年度の研究計画として挙げていた、つぎの3点はおおむね順調に進んだ。①教科書データの入力・加工作業を進め、データベースが構築されつつある、②日本の大学における中国語学習者を対象に中国語可能表現習得状況に関する無記名式測定テストを実施し、有意なデータを得ることができた。また、初歩的な考察と分析を行い、設問毎の正答率から現行教科書に記載されている文法説明・解説(現行インプット)に関する適否などについても、いくつか明らかになった、③担当教員を対象に中国語可能表現を教授する際の指導法及び問題点を無記名式アンケートで調査し、教室指導の現場から数多くの貴重なコメントを頂戴することができたなど。
しかし、①の教科書データベースに関しては構築されつつあるが、まだ不完全状態である、③の教員アンケートに関しては実施したものの、考察と分析までに至らなかった、さらに「理解可能なインプット」による中国語可能表現教授法の提案(草案作成)に関してはまだ初歩段階にあるため、平成30年度以降はより一層精力を傾けて作業を進めていく必要がある。また、この「理解可能なインプット」による中国語可能表現教授法を導入した後の学習効果を測定するための学生テスト、及び実践導入に協力頂いた教員に対するアンケート調査についても早期実施を目指す。

Strategy for Future Research Activity

◎平成30年度
(1) 教員アンケートの整理・データ加工、「理解可能なインプット」の導入実施、アンケートデータの入力及び加工、:平成29年度にアンケート調査の実施に協力してくれた大学教員に対し、本課題で提案する新認知モデルを含む「理解可能なインプット」の教授法導入を依頼し、教授後の無記名式アンケート・小テストの実施、指導時における学習者の反応などの調査を行う。これらの調査・実施結果をデータ入力し、分析に耐え得る状態に加工・整備する。(2)「理解可能なインプット」の導入結果とデータに基づく分析:第二言語習得理論に精通する専門家や言語学者である研究協力者の助言を得ながら、入力・加工済データをもとに「理解可能なインプット」の導入結果を検証すべく分析・考察を行う。(3)研究報告及び論文執筆:(1)と(2)で得られた分析・考察結果及び解釈をベースに、国内外のセミナー・研究会・学会等で積極的に研究報告を行う。ここで得られたコメントなども踏まえ、分析・考察結果の精度を高め、その成果を学術論文としてまとめ上げ投稿する。
◎平成31年度
(1)データの拡充、研究報告及び論文執筆:前年度に引き続き、可能な限りより多くの大学教員に「理解可能なインプット」による教授法導入を依頼し、各種データの拡充を図るとともに、これまでに蓄積したデータをより包括的に捉えつつ分析・考察を進め、様々な知見を得る。加えて、これまでに得られた研究成果を国内外の学会などで積極的に報告し、論文執筆も同時進行で進める。(2)学術雑誌への投稿:3年間の研究期間で得られた成果及び新たな知見を学術論文としてまとめ上げ、本研究成果をより幅広く発信すべく国内外の学術雑誌に投稿し、関連する研究分野への貢献を図る。

Causes of Carryover

理由:(1)教科書のデータ入力及びデータベースの整備・加工に関して、現時点ではまだ非完全な状態で、年度を跨って継続する必要があり、これに伴う一部の入力作業などに係る謝金が次年度使用となる。(2)教員アンケートのデータベース化に関して、本年度の実施には至らず、次年度に持ち越して行うことになるため、これに係る謝金も次年度使用となる。
使用計画:(1)教科書データベースの更なる充実を図るための作業に係る謝金を計上する。(2)教員アンケートのデータベース化に係る経費を計上する。(3)「理解可能なインプット」の導入実施、データの入力及び加工に係る謝金を計上する。(4)「理解可能なインプット」導入後の学習効果を測定するためのアンケート調査の実施、データ入力及び加工に係る謝金を計上する。(5)研究成果の報告や発表に係る出張経費などを計上する。(6)本研究活動に関連する必要な書籍や物品などの購入費用を計上する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2018 2017

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] 漢字から読み解く「可能」の意味―中国語の“能”を中心に―2018

    • Author(s)
      安本 真弓
    • Journal Title

      跡見学園女子大学『人文学フォーラム』

      Volume: 第16号 Pages: 46-62

  • [Journal Article] 細説両類謂詞性主語的句法語義差異2017

    • Author(s)
      吉田 泰謙
    • Journal Title

      対外漢語研究

      Volume: 第十六期 Pages: 22-46

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 略談現代漢語謂詞性主語句的定義及其範囲2017

    • Author(s)
      吉田 泰謙
    • Journal Title

      関西外国語大学『研究論集』

      Volume: 第106号 Pages: 45-59

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 中国語可能表現の習得・指導状況に関する考察―大学における調査結果を中心に―2018

    • Author(s)
      吉田泰謙、安本真弓
    • Organizer
      第4回IRI言語・文化研究フォーラム(関西外国語大学国際文化研究所主催)
  • [Presentation] 助動詞“会”和“能”的語義分析2017

    • Author(s)
      安本 真弓
    • Organizer
      現代漢語語法前沿論壇;(中国・上海復旦大学中文系主催)
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 可能表現のメカニズム―“能”と“会”を中心に―2017

    • Author(s)
      安本 真弓
    • Organizer
      日本中国語学会2017年度関東支部第3回例会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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