2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K02911
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
濱本 秀樹 近畿大学, 国際学部, 教授 (70258127)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 身体化認知経験 / 音象徴理論 / オノマトペ / 統語ジェスチャー / 認知意味論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は身体化認知経験が言語学習にどの程度有効かを検証することである。このテーマで平成29年度に2回国際学会で発表した。11月27日ニュージーランドオークランド市でのALAA(オーストラリア・ニュージーランド応用言語学会)の言語教育部門で”A proposal of methodology of Japanese onomatopoeic expressions based on the sound symbolic theoryというタイトルで発表した。日本語のようなV言語では動作の様態はオノマトペで表現されることが多い。日本語学習者にとってオノマトペは必須要素であるが音と意味とが恣意的に結合しているのであればこの学習は困難を伴う。音象徴理論では音韻的特徴と意味とにある程度までの有契性を認めている。私は日本語オノマトペを音象徴理論により分類整理しそれを分かりやすくマンガで表現した教材を作成し、外国人日本語学習者に説明した。その後新出のオノマトピア表現の意味をどの程度理解できるのかを検証した。 2019年1月5日国際ハワイ教育学会(Hawaii International Conference on Education)で"The effects of syntactic gestures on memorization and retention of learners of English"というタイトルで日本人英語学習者に関して統語的ジェスチャが意味予測、保持にどの程度有効かの検証結果を報告した。ジェスチャが第二言語学習に有効であることは語彙については定説である。しかし文の理解や記憶に関して検証されていない。今回の私の研究で構造の複雑な英文の記憶保持に関して統語ジェスチャは有効であることが検証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会発表に向け研究を計画的に進めることができた。また2回の国際学会発表により海外の研究者から好意的、批判的なフィードバックを受け、研究方向の是正、方法論に関して良い形で反映することができた。当初の初年度目標である認知言語学的知見の言語教育適用に関する既存の研究の整理と確認に関してはほぼ予定通り進んだ。しかしまだ理解の完全ではない部分、あるいはごく最近に発表された研究もあり、さらに知識の整理統合に向けて努めていかねばならない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き海外の研究動向を注視しながら国内外の多くの研究者と意見を交流し自分の見解を偏りのないものにしていく。具体的な成果を、たとえ中間段階でも、学会で発表する予定である。課題として言語実験の結果を解析する際のテクニック(統計論、確率論的処理)がまだ弱い面がありさらに技術的な訓練を重ね、エビデンスとして説得力のある結果提示をするように努めるつもりである。
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Causes of Carryover |
本年度購入予定の書籍が入手できずその分の金額が次年度使用として発生した。今年度に速やかに当該書籍を入手する予定である。
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Research Products
(2 results)