2017 Fiscal Year Research-status Report
内発的動機づけを高めるアクティブラーニング型授業の開発と効果検証
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17K02912
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
田中 博晃 近畿大学, 薬学部, 講師 (80441575)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動機づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,学習者の内発的動機づけを高めるアクティブラーニング型授業の開発と効果検証である。具体的には以下の3点である。 1) アクティブラーニング型授業での内発的動機づけを高める方略の考案 2) 内発的動機づけを高めるアクティブラーニング型授業の実践 3) 内発的動機づけを高めるアクティブラーニング型授業の効果検証
平成29年度は,初年度のため,半ば実験的にスタートした。具体的には,研究目的の1) アクティブラーニング型授業での内発的動機づけを高める方略の考案のための基礎的な研究を行った。アクティブラーニングは,次期学習指導要領で導入が注目され,また大学の英語教育でも導入が進んでいる。よって,アクティブラーニングと動機づけの関連を扱った先行研究を中心に検討を行った。しかし,多くの研究は実践報告であったり,FD報告の一部であり,体系的に動機づけ理論に基づいた考察がされているものはほとんどなかった。またアクティブラーニングを用いた教育的介入を行っても動機づけが高まっていない研究も見られたことから,教育的加入の方法を十分に検討し,予備調査を行う必要性があろう。これまでプロジェクト型学習(廣森・田中,2006;田中・廣森,2007)やプレゼンテーション型授業(田中,2010, 2013,2014),教えあい学習(田中,2016)などのアクティブラーニングを用いて動機づけを高める試みを行ってきたので,これらの研究成果が十分に応用可能であろう。特に自己決定理論に基づく教育的介入の場合は,有能性と関係性が動機づけを高めるために重要な要素になることが予測できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,初年度は実験データ収集の準備段階であった。文献研究や資料集めは概ね終了したので,順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
担当クラスにて内発的動機づけを高めるアクティブラーニング型授業の効果検証を行い,動機づけや関連する個人差要因の量的・質的データを収集し,分析を行う。具体的には,動機づけを高める授業実践法を教育的介入とし,その前後で動機づけの変動を統計的に捉える。プレ測定,中間測定,ポスト測定の3時点データを収集し,データを有意差検定(ANOVA,t検定)を行い,動機づけの変化を捉えることを目的とする。また自由記述やインタビューデータに加え,授業の観察記録や映像データなど,広く質的データを収集し,量的研究の結果を補完する。特にペアワークやグループワークを行っている様子を動画記録し,映像分析から学習への取り組みも評価する。分析の枠組みはペア学習場面での動機づけの変化を1分毎にとらえた田中(2016)の研究を参考にする。なお前期は予備調査として少人数で短期間の調査とする。8月および9月で結果を整理した上で,後期以降に本格的な調査を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に購入予定だった統計ソフトウェアが研究を遂行する上で当該年度では不要になった購入しなかった。次年度ではデータ分析で使用するために,次年度に更新される新しいヴァージョンの統計ソフトウェアを購入することする。
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