2018 Fiscal Year Research-status Report
英語の音韻体系を意識させる理論的・自律的発音学習の効果実証研究
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17K02914
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
中西 のりこ 神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (80512285)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 音素カウンターの充実 / 指導実践 / 効果の検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
5年計画のうちの2年目にあたる平成30年度は、モデルとなる英語発音をアメリカ英語だけでなくイギリス英語・シンガポール英語など様々な変種にも広げていく作業に着手した。以下、「交付申請書」に示した3つの項目について、研究実績の概要を示す。 【音素カウンターの充実】(1)平成29年度の実施状況報告書「今後の研究の推進方策」でも述べた通り、英音の発音表記の実態を新たに探るため University College London (UCL)で開催された音声学セミナーに参加し、イギリス英語発音についての知識を深めた。(2)報告者が発音担当として執筆に携わった英和辞典『Wisdom』の出版に合わせ、単語の英米発音の表記を網羅したデータベースを完成させた。 【指導実践】(1)平成29年度バージョンアップにより可能となった音素の発音の仕方を示した動画を確認することで、英語発音のさらなる自主学習を促した。(2)平成29年に導入した2画面構成の音素カウンターにより学習者が自分自身の発音を修正できるようになった。(3)学習者への聞き取り調査の結果、内容語のみに強勢記号を表示する機能が発音練習の大きな手助けになっていることが明らかとなった。 【効果の検証・研究成果の報告】音素カウンターを用いた授業実践や、その効果を検証する研究結果について、国内のみならずシンガポール National Institute of Education でも報告を行った。引き続き、口頭発表・論文執筆を行い、研究成果を随時報告する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の実施状況報告書で報告した通り、初年度の研究が予想以上にスムーズに進んだため、30年度の計画分まで29年度中にすでに着手していた。そのため生まれた余力で、以下のシステム構築に着手した。
【音素カウンターの充実】モデル音声となる英語発音のバラエティを増やすため「Sounds of Englishes」というサイトを立ち上げた。現在、学習者が様々な国籍の話者による英語発音をウェブ上で聞き比べられるシステムを構築中である。
【指導実践】現状の音素カウンターの音声入力では、iOSの音声認識機能を用いる必要があるため、PCでも同様の音声認識ができるよう「Speech Saver」というサイトを構築中である。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書の時点で「平成31年度の研究実施計画」として計画していた項目のうち半分以上はすでに平成30年度時点で実施済みである。そこで、学習者がより現実に近いモデル音声を選択した上で、英語の音韻体系を意識しながら自律的に発音学習に取り組めるよう、当初は計画していなかった「Sounds of Englishes」と「Speech Saver」のシステムを「音素カウンター」とリンクさせることを予算が許す範囲で試みる。
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Research Products
(15 results)