2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Relationship and Development of Skills and Knowledge in Japanese Beginner English Learners: Focusing on Various Aspects of Reading and Vocabulary
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17K02920
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
今村 一博 武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (70632826)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 読解の正確さ / 読解の速さ / 語彙知識の広さ / 語彙知識の深さ / 文法知識 / 聴解 / 読解力構成要素(コンポーネント) / パス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本語を母語とする初級英語学習者を対象に、読解の正確さ・速さとその構成要素である語彙知識の広さ・深さ、文法知識、聴解力の関係について縦断的調査(ポストは8か月半後)を行い、昨年度に分析したがさらに詳細に分析した。 【読解の正確さ・速さの関係】①読解の正確さと速さは、弱から中程度の相関があった。②読解の正確さが、ポスト(8か月半後)の読解の速さを予測する因子になり、正の影響を与えた。 【読解の正確さ・速さと、語彙知識の広さ・深さ、文法知識、聴解力の関係】①読解の正確さに関しては、聴解、読解知識の広さ、文法知識、語彙知識の深さの順で相関が高かった。②読みの速さに関しては、プレでは文法知識、語彙知識の広さ、聴解の順に相関が高かったが、ポストでは語彙知識の広さの相関の伸長が著しかった。 【読解の正確さ・速さに対して、語彙知識の広さ・深さ、文法知識、聴解力が与える影響】プレにおける語彙知識の広さ、文法知識、聴解が、ポストにおける読解の正確さを有意に予測する因子となっていた。またプレにおける語彙知識の広さが、ポストにおける読解の速さを有意に予測する因子となっていた。 本調査の結果から明らかとなったように、読解の正確さ・速さを高めるためには、語彙知識の広さ、聴解、文法知識が重要である。しかし語彙知識の広さは、8か月半後のポストにおける読解の正確さ・速さの双方の予測因子となっている点から、またプレから8か月半後のポストにかけて、語彙知識の広さが読解の速さへ及ぼす影響が大きく増していることから、語彙知識の広さは、初級英語学習者の習熟度が高まるにつれて読解に対する重要性を増すことが示唆された。
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