2019 Fiscal Year Research-status Report
留学生リソースの共有活用による多地点異文化交流を通じた地方大学外国語学習再起
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17K02921
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 真嗣 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10369902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
taquet david 函館工業高等専門学校, 一般系, 准教授 (50710901)
栗山 昌樹 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (60509917)
クラウゼ小野 マルギット 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (70400059)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 留学生活用 / 地方大学間連携 / 国際交流 / 外国語運用 / 異文化理解 / 多文化共生 / 合宿研修 / オンライン交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、都市部から離れた地方においても異文化理解・国際交流に積極的に取り組める疑似空間を提供しながら、外国語運用力を弱点とする理工系学生の①多言語・多文化環境の構築、②外国語運用の促進、③異文化理解力の涵養について改善することを目的とする取組である。大都市圏に比べて外国人留学生の在籍数が極めて少ない地方大学において、留学生との異文化交流の機会に恵まれない日本人学生や、経済的困窮による理由から海外留学の機会を得られない日本人学生が存在する。彼らに対しても、テレビ会議システム等の情報技術を駆使して、各校に属する留学生を教育活用資源としてリソースを共有しながら、隣接する地方大学間の連携による留学生広域インタラクション空間の創出を通じて、対面と同等の機会提供を試みる研究である。 3年目最終年度の取組として、事前のオンライン交流およびその後の対面交流への展開とするプログラム構築を行い、当該教育実践へと発展させた。Moodleを利用したテキストベースの意見交換交流の基盤作り、合宿形式の対面型異文化交流の流れを構築した。一方、対面交流後のSkypeを利用した映像・音声ベースの疑似体験交流は単発的で、継続運用できるだけのモチベーションを維持することは叶わなかった。 一方、初年度および2年目に置いては、各校所属の正規留学生のシェアリングとしたが、3年目最終年度では昨今の増加傾向のある短期研修生を対象とし、3機関の1つが有するイタリア工科系協定校の研修生との交流とし、3機関での共有活用とした。運営面において授業コンテンツ作成等の負担軽減になる他、留学生遭遇機会の創出効果を生み、地方連携による異文化交流プログラムの全容について、概ねまとめることができ、これまでの研究結果について、ISATE2019およびJSED2020にて研究発表としてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
留学生活用による異文化交流を通じた外国語運用について本研究における教育実践を通じて効果を理解できた。 合宿形式の対面交流、オンラインによるテキスト交流やビデオ交流の3ステージ化により、単発ではなく長期の交流プログラム化について課題を整理でき、今後の定常化について目途がついた。 また、共有活用する留学生について、正規フルタイムの留学生のみならず、非正規の短期研修留学生の参画により、各校の運営面の負担軽減や新たな外国籍留学生の遭遇機会創出も可能となり、地方における異文化交流の持続可能な運営方法を構築できた。 一方で残念ながら学生による成果発表の機会を年度末に設けていたが、コロナウィルスによる自粛制限により発表機会を失ったものの、本研究で培ったオンラインによるビデオ交流の拡大可能性へと結びつき、現在は引続きそのビデオ交流の実施、調査、分析を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目となる最終年度を超えて延長申請を行った。最終年度末3月に発展途上国における海外協定校への訪問、および海外現地における異文化交流の実践・調査、およびそれまでの成果発表を行う予定であったが、コロナウィルスによる渡航自粛により、研究費の残金が発生した。自粛解除後に延期となったため、残金については、その予定されていた事業に充てることで、適正な執行を行う予定である。 現在はコロナウィルスによる三密を回避するべく遠隔授業が行われているが、本研究の一部において、既にオンラインによる異文化交流の在り方について研究取組を行っており、テキストおよびビデオ接続によるオンライン異文化交流の実践的運用について、さらに研究を深める予定である。
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Causes of Carryover |
当初2020年3月に研究代表者の所属校である室蘭工業大学の海外学術協定校(モンゴルの工業技術大学(IET))へ渡航し、その場でこれまでの共同研究発表、学生交流発表等の成果報告を行う予定であり準備を進めていたが、中国武漢発の新型肺炎コロナウィルス対策により、同国は1/27より全国全校閉鎖により、受入れや開催が出来なくなったため、当初の予算執行が叶わなくなった。コロナウィルス対策および自粛が解除されるまでの延期となり、解除後に同計画を実施する予定である。
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Remarks |
イタリア人短期研修生による異文化交流に関する帰国報告です。
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Research Products
(11 results)