2018 Fiscal Year Research-status Report
Application of the concept of Intercultural Communicative Competence to the development of a multimodal portfolio for Spanish as a foreign language
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17K02922
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
Cecilia・N Silva 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (40361208)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポートフォリオ / 異文化コミュニケーション / 異文化能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年中の研究は、スペインでのスペイン語による集中訓練プログラムを通して異文化間トピックのマルチモーダルなポートフォリオを作成することに焦点を置いたものである。異文化間コミュニケーション能力の概念と、学生に自身の活動ポートフォリオを作成してもらい、文化的多様性や多文化な背景といったその他の関連する概念に焦点を置いた。本プログラムに参加した15名の学生は、2週間のプログラムの学習状況が反映され、学生達が期間中に達成した内容を紹介する研究作品集を制作した。ポートフォリオには、授業、文化的訪問、実地調査、および学生同士の交流に関する説明と考察を記した報告書、ビデオ、日記が含まれる。 ASELE 第29回スペイン語教育法学会国際大会で発表した「活発な学習の枠組みの中での異文化間能力活動」(2018年9月5日~8日 スペイン、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学)および教育、教育、学習に関する学際的学会会議において発表した。 「異文化間次元の多様性と包含」は、異文化間能力による2つのモデルについて記載したものである。最初のモデルでは、通常の講義と言語集中訓練プログラムという2つの背景における異文化間の相互作用に着目し、2つ目のモデル、評価、では、学生の態度と言語スキルに焦点を当てた。実際の異文化間経験に近似する言語講義の受講を可能にする要素を特定すべく両背景の研究結果を研究し、第44回全国語学教育学会国際大会のワークショップ(2018年11月23日~26日 筑波大学)で発表した。 高校教育学生支援機構 3月31日第5号に掲載した論文「オーラル・コミュニケーションのポートフォリオ:外国語学習の足場」に、東北大学のスペイン語学科の1年生との3年間にわたるオーラル・コミュニケーション・プロジェクトが総括されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際、以下の理由により、現在の研究はかなり順調に進行している。 1.第1段階(2017年度)では、文化的問題と言語の関連性について理論的枠組みの構築に成功し、適切なモデルを達成した。さらに、2018年度中には、構造的活動と伝達的活動の組み合わせに関連する方法論についてさらに研究を行うことができた。また、文化学習ポートフォリオの開発における我々の異文化間モデルを実行することに一層着目することができた。 2.異文化間トピックに関する理論と講義におけるその実施に関し、第44回全国語学教育学会国際大会(2018年11月、静岡)において、言語間、文化間、知能間の関連性について国際文化研究所所長から助言をいただき、また、このトピックに関する書誌に関する情報も提供していただいた。 3.ASELE第29回スペイン語教育法学会国際大会(2018年9月5日~8日、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学)とJALT第44回全国語学教育学会国際大会(2018年11月、静岡)において、台湾と秋田の大学から来訪されていた教授と面談の機会をいただき、上記機関の語学教員へのインタビューと調査の実現可能性について確認した。 4.ポートフォリオ作成のための異文化間モデルの実行において、2月にマドリッドのコンプルテンス(Complutense)大学での集中訓練プログラムを受講する参加者となる学生グループを引率することになっているため、ポートフォリオの内容を頻繁に評価し、修正することが可能なる。
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Strategy for Future Research Activity |
次の研究段階では、初級者レベルのスペイン語と中国語の講義、さらに英語での異文化間トピックの包含について複数の視点を得るべく、講義の観察と教員へのインタビューに焦点を当てる。講義における異文化間問題の関連性の程度、言語学習において果たす役割、そしてその教育方法(言語と資料)を決定することを期待している。その結果に基づき、異文化間モデルの主な特徴と構成要素を総合し、スペイン語、英語、中国語の語学教員のためのアンケートを作成する。2019年中に、2つの作業を平行して行う予定である。 東北大学における第二外国語としてのスペイン語講義のためのコンテンツ編成およびスペインのコンプルテンス大学における集中訓練プログラム中のポートフォリオ開発における異文化間理論モデルの適用の総括。本段階の結果の一部は、ASELE第30回スペイン語教育法学会国際大会(2019年9月4日~7日、ポルト工業大学)にて発表予定。 スペイン語、英語、中国語の講義を見学し、当該講義における文化的問題および異文化間問題の導入について教員にインタビューを実施。本段階の概要は、第45回全国言語教育学会全国大会(11月2~4日、名古屋)にて発表予定。部分的な結果の総括は、2020年3月31日刊行の東北大学高度教養教育・学生支援機構紀要 第6号の出版用に提出をする予定。 上記のように、2019年に確定した予算(2018年の一部を含む)は、主に現地調査のために使用する予定である(講義見学、東北大学やその他の大学の教員へのインタビュー(謝金、交通費、助手費))。また、会議への参加や論文の校正にも費用を要する。
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Causes of Carryover |
2019年度に2018年分の予算の一部を残した主な理由は、異文化間コミュニケーション能力の他の理論モデルを探求し、ポートフォリオ関連のトピックを開発するためにその内容をアンケートと語学教育者へのインタビューに含める研究段階の順序変更を要するためである。 理論的枠組みの新側面に関して、価値、信念、態度、シンボルシステム、その他を含む、Fantini(2019年)が提唱するworldview(世界観)の概念とその複数の構成要素を研究すべく、新たな視点に基づき2つの主要なラインの探求している。また、神経認知の観点から文化学習を提案する言語文化学習の発達モデル(2016年シャールス)も含めている。ポートフォリオに関しては、1年生向けの通常のオーラル・コミュニケーションのポートフォリオとスペインでの集中訓練短期プログラムの受講生達のための異文化的側面のポートフォリオによる2部門に分割した。現在、アンケートと語学教員へのインタビューの質問内容を修正し、上記2つの観点に追加する側面を含める作業を進めている。 予算の使用計画は下記の通り。台湾国立大学の学部長と秋田国際大学の学科長と連絡を取った上で、現地調査、アンケートとインタビュー実施を目的とする両校の訪問、ポートフォリオに関連したトピックの結果を発表すべく、スペインのメソドロジーに関するASELE国際会議(2019年9月、ポルトガル)に参加。
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