2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02923
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
黒田 廉 富山大学, 人文学部, 教授 (00313578)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 語彙 / CEFR / 頻度 / 独和辞典 / 学習辞典 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,欧州言語共通参照枠(CEFR)準拠教材の語彙および従来の学習語彙を対比し,語彙頻度表を活用することによって,頻度に裏付けられた長期ドイツ滞在者向けの学習語彙を選定することであり,具体的には次の3点を明らかにすることである。 1)CEFR B1レベル準拠のドイツ語教材で使用されている語彙とその特徴 2)従来の学習語彙リストの特徴 3)学習的観点および日本の教育事情に配慮しつつ,使用頻度を考慮したCEFR B1レベルの語彙 このうち,初年度の目標は,2)に関連し,学習辞典および語彙集から既存の学習語彙のリストを作成することであった。主要独和辞典および非母語話者向け学習独独辞典から,重要語に指定されている語をすべて収集し,各辞書の重要度ランクを記し,語彙頻度表Jones/Tschirner,DeReWoの語彙と対照させたリストを作成した。その結果,のべ語数約1万語のリストとなり,今後の研究の基礎となるデータを作ることができた。リストに基づき,各独和辞典の重要語の語数設定,重要語としている語形,多義語の重要語義の選択,上位ランクの重要語指定の特徴,辞書の重要語の利用対象者,および独和辞典で重要語指定を行う必要性,の問題について,「学習辞典における重要語とは―ドイツ語の場合―」(『人文知のカレイドスコープ』)にまとめた。また,辞書間あるいは辞書と頻度表間の語彙の重なりの度合いもおおよそ把握することができた(次年度に論文にまとめる予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度においては,独和辞典の重要語に語彙集の語彙も加えたリストを作る予定であった。しかしながら,語彙集の語彙はあまり加えられていない。理由としては,語形の不統一などの点検・調整に時間がかかったこと,対象とする辞書,重要語の範囲を増やしたこと,当初予定していた研究補助者が健康上の理由からデータ入力作業を行うことができなかったこと,予定になかった学務に時間を取られたことがある。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,語彙集の語彙も加えた,学習語彙リストを作ることを優先する。その後, CEFR B1レベルに相当するドイツ語教材の使用語彙のリストを作る。 各教材は,スキャナあるいは手作業によって電子テキスト化し,テキストの種類(会話テキスト,読解用テキスト,文法説明など)ごとに分類し,コーパス処理ソフトウェアで語彙リスト化する。使用語彙リストには,全体の頻度,テキストの種類ごとの頻度も付記する。
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Causes of Carryover |
物品の価格が図書見積もりした額と実際の納入価格が若干違っていたために,次年度使用額が生じることになった。次年度の物品費に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)