2018 Fiscal Year Research-status Report
日本語母語学習者データに基づくロシア語学習者コーパス構築の基盤研究
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17K02926
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林田 理惠 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (70185651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐山 豪太 上智大学, 外国語学部, 講師 (60824480)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学習者コーパス / 学習者言語 / ロシア語教育 / アノテーション・ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度はまず, 1)National Research University, Higher School of Economics(以下,HSE)コーパス開発部門(現存する唯一のロシア語学習者コーパスRLCを構築,ロシア連邦・モスクワ)が構築したRLC (Russian Learner Corpus, http://web-corpora.net/RLC) システム上に下位コーパスとしてJapanese RFL Learner Corpus(以下,JRFLL Corpus)開設の準備を進め,JRFLL Corpus 概要画面を設定した.さらに, 2)収録予定である研究代表者所属機関が実施しているTORFL試験(The Test of Russian as a Foreign Language = ロシア教育科学省主催「外国人のためのロシア語検定試験」),1, 2年次におけるA2 (Basic level), B1 (Intermediate level) レベルの作文試験結果,約1,400人分,約2,800編の作文のうち,かなりの部分を HSE との協同作業でデータ電子化をすでに行った.また, 3)収集したデータのアノテーションに向け,データテキスト及び学習者の属性情報タグ,品詞情報タグ,誤用情報タグの分類・構成について,前年度の調査・ヒアリングで得た知見を基に検討し,アノテーション・ガイドライン試案の設計を進めた.すでに RLC 本体データとしてアップロードされているものについては,RLC が採用している綴り字、語彙、構造、形態、統語、その他という大分類,さらに下位分類からなる誤用タグ (Rakhilina et al. 2016) での検索が可能な状態へとアノテーション作業を進めた.同時に,日本人学習者に特有の間違いなどに対応した誤用タグを追加することについて可能性を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)アノテーション・ガイドライン試案の設計について,RLCでの基準を参考にすでにRLC本体データとしてアップロードされているものに実際に誤用タグ付け作業を進め,検討を進めている. 2)TORFL作文試験結果についてデータ電子化作業についても十丁に作業が進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
1)前年度に作成したアノテーション・ガイドライン試案に基づき,すでに電子化が完了しているデータについて,テキスト及び学習者の属性情報タグ,品詞情報タグ,誤用情報タグのタグ付け作業を進め,コーパスのパイロット版を作成する. 2)作成されたコーパス・パイロット版を使い,A2-B1レベルでとりわけ習得に負荷がかかるとされるアスペクト,ヴォイスの2領域において,学習者言語の傾向,特徴を試験的に分析し,パイロット版におけるタグ分類・構成上の問題点や技術面での問題点を抽出し,改善を図る. 3)コーパス・パイロット版のオンライン公開と報告会開催・研究報告書上梓 構築されたコーパス・パイロット版のオンライン公開を行い,共有資源化する.ユーザ評価に基づき修正・仕様変更を漸次,検討実施する.ロシア側研究協力者E.V. Raxilina氏及び研究チームのメンバーを招聘し,ロシア語教育研究集会において研究成果報告会を開催する.また,研究報告書を平成32年3月に上梓する.
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Causes of Carryover |
【理由】当初平成30年度に予定していたデータ入力,アノテーション作業に関連したロシア側研究力機関で発生する人件費等の補填について,先方の都合により,次年度に執行することになったため. 【使用計画】次年度において上記人件費の補填及び,当初計画通り,ロシア側よりの研究者招聘,報告会開催,報告書作成に使用する.
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Research Products
(5 results)