2017 Fiscal Year Research-status Report
メタバースを活用したマルチモーダルコンテンツ対応型汎用英語自律学習システムの構築
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17K02939
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山下 巌 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (70442233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 久充 龍谷大学, 経営学部, 准教授 (10513757)
淺間 正通 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (60262797)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 仮想空間 / フィンランド / 応用科学大学 / グローバル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度となる本年は、研究代表者の山下はフィンランドのユヴァスキュラ応用科学大学(Jyvaskylan Ammattikorkeakoulu: 以下Jamk)を訪問し、Armi Hirvonen講師, Kari Vehmaskoski名誉教授、Pertti Malkki教授、ラハティ応用科学大学((Lahden Ammattikorkeakoulu)のHannele Titternen講師と、本研究の詳細研究打ち合わせを実施した。LMS(Learning Management System)として、国内でよく使用されているMoodleではなく、Jamkで使用しているOptimaProを活用して、2018年10月開始予定の本研究の教育環境を整備してゆくことを原則とした。また、VRを通した共同授業の具体的計画を検討した。Jamkのフィンランド人のみからなる授業よりも、むしろアジア、アフリカ、アラブ圏、東欧圏出身の学生から成るインターナショナルクラスの学生との交流授業の方が有意義であるという合議に達した。 山下と研究分担者の淺間は、本研究の概要を異文化間情報ネクサス学会で発表し、その意義を他の研究者らと共有するとともに社会に問うた。同じく山下と淺間は、本研究のエッセンスを活用し、「グローバル時代への対応」「グローバル人材の育成」「グローバルコミュニケーション」を「グローバルの本質とは何か?」に視線を注ぎ、敢えて身近な現象・場面・環境の中から意外性あるヒントを抽出し、問題意識の先鋭化を通して意識改革を提言する今日的指南書の編集・出版計画を具体化し、すでに10数名の執筆者を集め、各々執筆テーマを絞り5月末までには原稿提出、7月には出版の運びとなる段階にたどりついている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度となる本年は、研究代表者の山下はフィンランドのユヴァスキュラ応用科学大学(Jyvaskylan Ammattikorkeakoulu: 以下Jamk)を訪問し、Armi Hirvonen講師, Kari Vehmaskoski名誉教授らとの本研究の詳細研究打ち合わせを実施し、目下Jamkで使用しているLMSのOptimaProを活用して、本研究の教育環境を整備してゆくこととした。 また同じく山下と研究分担者の淺間は、3D立体カメラを使って、研究代表者所属大学近くにある「韮山反射炉」(世界遺産に認定)の撮影を行い、PCに取り込んだ後、今一人の研究分担者の西岡がVR空間作成ソフトウェア、オメガスペース(ソリッドレイ研究所)とそのオーサリング機能を用いて、取り込んだ画像を加工しブラウザー出力を試みている。目下、3D写真のゆがみがうまく修正できず思ったようなVR空間を創出できず苦慮しているが、ブラウザー上に載せて20名の学生を登録し動作を確認するまでには至っている。 並行して、山下と淺間は、学習内容とVR空間でのインタラクションと整合性を考慮し、場面シラバス(situational syllabus)に基づき、GDM(graded Direct method)による授業実施を想定したサンプル・ユニットの作成に従事した。その際、仮想案内ガイド・仮想訪問者間でのインタラクションで使用が予想される語彙や定型表現を選出し、実践的な場面に見合うよう、提示質問(display question)に加え指示質問(referential question)を多く取り入れた収束型タスクとタスク必須言語(task essential language)をユニット末に配し、参加学生がVRでのインタラクションへ円滑に移行できるよう配慮した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本学部での「英語コミュニケーションⅠ」の授業とJamkでの授業とをOptimaProを用いて、実際の授業を志向する。その際、先述のゆがみがうまく取れず、十分な効果が期待できなかった場合には、その対応策として、音声のみのチャットあるいは、Skype等を用いてJamkの学生とのコミュニケーションを図り、その効果を検証してゆきたい。 加えて、スマートフォン対応型の自律学習用演習問題を作成し(プログラム作成を西岡がコンテンツの作成を山下・淺間が担当)、汎用英語自律学習システムプロトタイプを完成させる。またコミュニケーションⅡの授業で10月中旬から約一月間に亘り、今回構築したシステムを本格的に実践し計画通りに機能しているかどうかを検証する。さらに同クラスの受講学生を対象に、Dörnyei and Taguchi (2010)により開発された学習アンケートを実施しL2理想自己、L2義務自己の発達を調査する。またSchraw(2008)によるMeta-cognition Awareness Inventoryを利用して、メタ認知スキルに関する調査を実施しPromax回転による因子抽出・分析を行い、システムの学習効果を検証してゆく予定である。
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Causes of Carryover |
本申請研究のカギともなるVR空間の創出に手間取り、2017年の夏休みに英国Southhamptonで開催された国際学会での研究発表に間に合わなかったため、その出費として約50万の経費が使用できなかった。今年度(2018年度)は、その分の経費をもともと出席予定をしていた中国手開催される国際学会での研究発表に加え、フィンランドで行われるCALL系の国際学会へも参加し、研究動向を探る予定である。
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Remarks |
Jamkと加齢工学(gerontechnology)に関する共同研究を2017年7月から開始した。2017年11月にKariVemaskoski名誉教授(Jamk)が本研究代表者勤務学部を来学、2018年3月に, 横山悦子准教授(高齢者看護学)、酒井太一准教授(公衆衛生看護学)がJamkを訪問し相互学術交流を実施した。
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Research Products
(9 results)