2018 Fiscal Year Research-status Report
メタバースを活用したマルチモーダルコンテンツ対応型汎用英語自律学習システムの構築
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17K02939
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山下 巌 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (70442233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 久充 龍谷大学, 経営学部, 准教授 (10513757)
淺間 正通 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (60262797)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フィンランド / e-learning / 学習コミュニティ / ウェブ空間 / インタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目となる本年度は、研究代表者の山下がユヴァスキュラ応用科学大学(Jamk)を訪問し、健康社会学部(School of Health and Social Studies)とラハティ応用科学大学(Lamk)を訪問し、ウェブ学習空間を活用したインタラクションができるeラーニング環境を構築するために詳細打ち合わせを実施した。実際に、上記2大学とのパイロットスタディを10月1日から1月末日までの約4か月間にわたり実施し、研究代表者所属校からは7名の学生が参加した。また、11月下旬には、山下と分担者の淺間が上記2大学を訪問し、e-ラーニングの進捗状況やそれまでの反省点や改善点などを話し合った。その結果、3大学の学生間で、共通課題を確認するとともに、テーマに関する共通理解を得ることができた。このeラーニング学習に参加した7名の学生に対して、Jamk側から『Gerontechnology for Nursing』の受講修了証と3 ECTS(ヨーロッパ単位)が授与された。 教育立国、そしてまたIT立国としても知られるフィンランドは、1990年代前半から始まった情報化の進行とともにeラーニングの環境整備に乗り出した。早期の段階から教育にサイバー空間を応用したフィンランドにおけるeラーニングは先進的で、さまざまな背景を持つ学習者間の「つながり」を創出し、相互に刺激し合えるウェブ空間上の学習コミュニティをベースとした学習が中心となる。Jamk、Lamkとウェブを介して学習の場を共有することで、学ぶ者同士が国籍を超えて英語を駆使してネットワークを形成しつつ、学びを深めてゆける自律学習の場を構築することが可能となってくる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定した通りに研究が進んでいる。今のところは大きな支障は出ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
事後実施した学生アンケート結果からは、「専門的な英語の表現力不足により、フィンランドの学生と対等な立場でディスカッションができず悔しい思いをした」、「高齢者看護の知識においては引けを取らなかったが、英語による展開に追い付てゆけなかった」など、自身の語学運用力不足を嘆く声が多く上がった。またタスク設定の不備など、洗練さを欠いていた点も判明した。そこで、こういった改善余地を踏まえ、本研究に位置付ける本格交流では、e-ラーニング・コンテンツとなる予習用課題論文や拡散型タスクを含んだサンプルモジュールを共同作成する。これと並行して、両大学の学生による電子掲示板機能を活用した同期・非同期型ディスカッションが可能なウェブ学習空間をLMS上に設置する。その際、日本人学生の英語力を補完しスムーズな反応を引き出せるようLMS上で作動する専門語彙を日英・英日に自動翻訳するチャットボットを開発・設置し、日本人学生のCSCL(Computer Supported Collaborative Learning)形式のインタラクションをサポートしてゆく。その際、ウェブ上で交わされる学生対学生間、メンター対学生間のインタラクションや対面授業のクラスルーム・ディスコースをMoskowitzにより開発されたフリントシステム(Flint System)や構造化内容分析(structuring content analysis)を用いて分析し、スパイラル学習が円滑に進行しているかどうか、英語科と看護科教員の役割分担が明確化されているかどうか等を検証する。また実施前後にScraw(1998)が考案したアンケートを用いて受講学生のメタ認知能力の変化や、L2義務自己(ought-to L2 self)とL2理想自己(ideal L2 self)の変化を調査して本モデルの効果を評価する。
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Causes of Carryover |
所属研究機関の内規に従って予算を執行したところ、10,429円の余りが生じたため、研究最終年度ではなかったため無理に執行をせず、次年度予算に組み入れた。
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Research Products
(7 results)