2019 Fiscal Year Research-status Report
Developing a customized Chinese online learning system supporting learner autonomy
Project/Area Number |
17K02941
|
Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
永江 貴子 拓殖大学, 外国語学部, 教授 (90508441)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | eラーニング / 学習者オートノミー / テーラーメイド型学習 / 誤用研究 / 中国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
テーラーメイド型中国語学習システム開発のデータ収集を目的として、e-learningの学習結果を蓄積・整理し、データを分析しサイトを構築した。方法として、中国語検定試験(以下、中検)対策のためのe-learningである中国語検定試験過去問WEB(以下、中検WEB)を用い、0スタート中国語学習者に対し必修科目で、2019年度は中検4級・3級の過去問題を実施した。中検3級の過去問実施は、0スタート中国語学習者でも、従来、1年で中検3級に合格する学生が一定数いることを考慮したことによる。中国語学習既修者のための科目では、中検3級・2級・準1級の過去問題を扱った。各授業では学生の回答後、解答解説を参照させながら、誤答を分析させ、ノートにまとめさせた。そのノートは提出させ、収集・記録した。なお特に誤答が多い部分に関しては、教員側からフィードバックした。更に学習者にはe-learningが中検対策に有用か否か、中検の受験有無を問うアンケートを行った。その結果、e-learningの利便性を高く評価する声が多くある一方、中検WEBの解説の詳細化、スマートフォンでの見やすさに対する要望が多数あった。そのため、学習サイトとして中検練習サイト(http://c-learn.jp/)という、学習者のユーザビリティをより高めたサイトを構築した。 以上より、e-learningを利用して実際に学習させるためには、サイトを与えるのみでなく、教員側からの働きかけや学習者自身の動機づけ、誤用の認識及びそのトレーニングが必要で重要であることがわかった。更に、中検WEBの利用頻度、誤答ノートの提出率、中検の合格率の関連をまとめ、学習者のアンケートをもとに作成したサイトは、研究会において発表し意見を頂いた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ユーザビリティの高いシステム構築のため、学習者に既存のシステムを一定期間利用させた上で、誤答をノートにまとめさせ、アンケートに協力頂きデータを収集している。そのため、学習者のデータ収集に一定期間必要なため時間がかかってしまい、同時に進めているシステム開発が遅れる傾向にある。また、4級や3級の学生データは従来の研究でかなりの数が収集できたが、2級に関しては4級・3級を目指す学生比でかなり減少してしまうため、データが数的に乏しく、より多くのデータ収集に期間延長が必要となった。ここで構築したシステムを授業で試用しているが、バグが多くその修正に時間がかかってしまっている。 以上の研究上の遅れに加え、新型コロナウイルス感染症拡大により、予定していた学会の中止や延期が決まり、発表に関しても遅れが生じてしまっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
学習者個々に合ったテーラーメイド型中国語学習システムは、基本的な形は完成した。しかし、コンテンツが乏しく、バグが多いため、その点では不完全なサイトである。そこで、どの学生が問題なく実施できるようにするため、データが乏しい2級に関する情報の収集、コンテンツの拡充、バグの修正に努めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
研究課題「学習者オートノミーによるテーラーメイド型中国語学習システムの開発」のため、申請書に記載した通り、中国語検定試験過去問WEBで各級毎に間違えが多い点を整理・分析し、更に中国語教育で得られた研究成果に照らし合わせ、項目ごとの解説を作成してきた。ただ、その収集整理が想定以上に時間を要し、構築中のシステムにはバグが多く、完成には更なる時間を要するため、次年度使用額が生じた。データ収集とバグ修正、更に得られた成果を発表するために使用していく予定である。
|