2017 Fiscal Year Research-status Report
Consideration of more effective methods for listening comprehension based on sound spectra
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17K02949
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Research Institution | Niigata University of Management |
Principal Investigator |
松浦 れい子 (段王れい子) 新潟経営大学, 経営情報学部, 准教授 (10780801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 淳子 新潟経営大学, 経営情報学部, 教授 (30372832)
古橋 武 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60209187)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 周波数特性 / 発音訓練 / 聴き分け訓練 / 訓練プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、訓練、テスト用の音声作成では、話者ごとのフォルマント分布状態を調べ、使用する単語の特徴をより強調できる加工法を探った。音全体に化工を施すだけでなく、特徴をもっとも表している部分にのみ化工を追加することが必要だとわかった。この方法で、1つの単語ごとに細かく周波数帯を変化させて化工した。 測定法と訓練方法では、最終目的の文にまでは広げず、まず単語レベルでの聴き取りと発音向上を目的とした訓練方法に絞ってパイロットスタディを実施することとした。単語は、日本人が苦手とする rとl、thとzなどが入ったものにした。聴き取りの測定はプログラムで実施し、発音の測定は、音声を録音することとした。教育方法として、化工音を使う群と使わない群に分けて実施し、発音訓練では互いに発音し合って聴き合いながらすることとした。聴き取りの訓練はプログラムを使用し、何回聴いたかを記録として残した。学生たちは聴き取りの向上が良く、発音はそれに比べて向上が少なかった。 単語の聴き分けと文との関係までは進められなかった。文になると、前後の単語の意味や決まった言い方などにより理解する部分が多い。単語単位での聴き取りが何に影響を与えているのかを判別することができなかった。今後の課題である。 パイロットスタディを10月に実施した。人数があまり集まらず、成果は限定的なものになってしまったが、パイロットスタディとしての成果は十分にあった。測定と訓練に使ったプログラムの記録方法は、学生の誤操作に対する対応が不十分であることがわかった。それぞれにかかる時間は概ね適切であったが、もっと短くても十分であるかもしれないことが判明した。途中の測定することが訓練とも関連しており、測定方法と訓練内容の精査が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文の聴き取りへの広がりが進んでいない。そもそも文へ広がらせることが有意義であるかどうかを検討しなければならないことが判明し、それを解決できなかった。 文の聴き取りと単語単位の聴き取りでは、理解する方法に大きな差がある。文では、その分の前後の関係や、単語の前後の関係から、正確に聴き取っていなくても(発音されていなくても)十分理解できることが多い。単語単位の細かな音素の聴き取りと発音は、それにどう影響するのかが、明確にできなかった。 この研究で行っていることが一番効果を発揮する場面として、英語を初めて学ぶときに発音を教えるような初期の学習に役立つのではないかとの助言も得た。パイロットスタディでも、聴き取りに目覚ましい成果があったが、それはこれまでに発音教育を多く受けていて素地があったためと考えられる。 以上のことから、化工音を英語教育のどの分野のどのタイミングで活用したらいいのかを再度検討し直している。そこでまだ前に進めないでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き化工音をどういう場面で使用すればいいのかを検討する。先行研究をこれまでに探っていた分野以外にも広げて探りたい。また、英語教育者にもご迷惑にならない範囲で話をお聞きし、発音・聴き取りの現場での問題点の情報を収集する。 上記の結果と、昨年度のパイロットスタディでの問題点とを合わせて、大学生への教育実践を実行する。その上で、小学校など英語教育の導入時での使用方法の研究を進めていく。そのための研究場所を広く求めて協力をいただけるかを探る。
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Causes of Carryover |
本年度の研究で、使用予定にしていた機器が本年度終了近くになって必要となり、機器の選定で折り合いがつかなかった。 研究の重要な部分が検討中で、必要と思われた機器の性能決定までできなかった。 本年度は、検討中のどのタイミングでどういう内容で教育を実施するのかを明確にし、それに必要な機器があれば、早めに機器選定を行い研究を効率よく進める。
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Research Products
(1 results)