2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K02957
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
松田 紀子 藍野大学, 医療保健学部, 講師 (40759007)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | TTS(Text-To-Speech)合成音声 / 知覚学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本人英語学習者を対象として、外国語学習におけるTTS(Text-To-Speech)合成音声の有効性と可能性を、特に知覚学習という観点から明らかにしようとするものである。汎用性の高いTTS合成音声の効率的な活用が話しことばの習得に貢献するならば、英語を外国語として学ぶ環境にあり、音声インプットの絶対量が不足している日本人英語学習者にとっての意義は大きい。TTS合成音声を活用した場合の①学習者の習熟度、②学習者の年齢、③学習期間、④自己関連づけ効果、⑤組み合わせるタスクの複雑さ、⑥音声の特異性(声・性別・なまり等の違い)の6項目について各種実験を用いて学習効果を調査し、TTSを使用した、より効果的な外国語の学習・指導方法を提案する。 初年度(平成29年度)に、先行研究の調査・検討を行った上で、学習者の要因(①習熟度)と学習内容による要因(⑤組み合わせるタスクの複雑さ、⑥音声の特異性)がTTS合成音声を活用した知覚学習にどのような影響を及ぼすかを探るために、実験用の刺激文の作成と改訂を重ね、パイロット調査の実施準備を整えていた。しかし、勤務先の変更が決定し、実験用の機器やソフトウェアを二重に購入する事態を回避するために、平成30年度は実験を保留する必要があった。また、平成31年度に実施予定のTTS合成音声を活用した場合の長期的な学習効果の調査(③学習期間)については管見の限り先行研究が見当たらないため、初年次にあらかじめ単語単位で半年に渡るパイロット調査を実施したが、平成30年度も引き続きパイロット調査を実施し、調査方法や刺激を更に見直した。さらに、TTS合成音声を使用したフレーズ単位の実験結果をまとめた。なお、平成30年度は研究協力者とのミーティングを2回(8月7日と9日)実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成31年度4月から勤務先が近畿大学に変更となることが決まり、平成30年度まで勤めていた藍野大学と近畿大学で実験用の機器やソフトウェアを二重に購入する事態を避けるために、平成30年度は実験を保留する必要があった。そのため、本実験の実施が予定より遅れている。平成30年度にはパイロット調査を実施し、またTTS合成音声を使用したフレーズ単位の実験結果をまとめたため、本研究課題は総合的に見てやや遅れていると判断した。令和元年度は即座に研究に従事する体制を整える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度と平成30年度に準備し、実施したパイロット実験の成果を踏まえて予定していた本実験を開始し、発表・論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
勤務先の変更が決定していた関係で本実験に進むことができなかった。そのため、平成30年度に参加を予定していた国際学会への参加ができなかったこと、参加者への謝礼金が生じなかったことなどが原因で次年度使用額が生じている。 令和元年度は、研究成果の発表を学会において行うための旅費や、研究に必要な物品の購入(心理学実験ソフトのライセンス等)、実験参加者への謝礼金及び本調査の実施後のデータ入力にかかる協力者謝礼金などに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)