2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effectiveness and Potential of Synthetic Text-to-Speech in Foreign Language Learning
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17K02957
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松田 紀子 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (40759007)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | TTS(Text-To-Speech)合成音声 / 知覚学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本人英語学習者を対象に外国語学習におけるTTS(Text-To-Speech)合成音声の有効性と可能性を、特に知覚学習という観点から明らかにすることである。本研究では、TTSを使用した、より効果的な外国語の学習・指導方法は何か、以下の知覚学習を促進または抑制する可能性のある6つの要因(学習者の①習熟度、②年齢、③学習期間、学習時の④自己関連づけ効果、⑤組み合わせるタスクの複雑さ、⑥声・性別・なまり等の違いなどの音声の特異性)について、英語の語句を用いた各種実験を通して学習効果を調査した。このうち、②④についてはコロナ禍の影響で断念したが、それ以外の4つの要因について、コロナ禍でも実施可能な実験方法を模索しながら検討した。 2022年度は、知覚学習効果を間接的に測れる可能性が高い単純接触効果の実験パラダイムを採用し、人工知能(AI)の技術を使用したTTS合成音声を用いて3つの対面及びオンライン実験を実施した。単純接触効果の実験パラダイムでは、ある対象への反復接触により、知覚的流暢性が向上(=知覚学習の促進)することで対象への好意度が高まると考えられている。学会発表が確定している1つ目の実験では、各種変数を統制した英語の定型表現グループを作成し、⑥の影響を検証した。結果として親密度が高い定型表現グループのうち、同じ声で提示された場合の好意度は上がっており、十分な接触回数を経た定型表現については、TTS合成音声の使用によって知覚学習が促進された可能性が高いことがわかった。2つ目の実験では、反復接触による知覚学習効果の変化をオンライン実験で検証した。結果として親密度が高い定型表現グループのうち、同じ声で提示された場合に知覚学習効果がみられた。2016年に発表した実験の追実験として実施した3つ目の実験は、予備実験段階だが、③の影響を見るために実験をおこなっている。
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Research Products
(1 results)