2017 Fiscal Year Research-status Report
小学校英語活動においてクラス単位で各児童の英語力を同時評価できるICT教材の開発
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17K02959
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Research Institution | Kobe Kaisei College |
Principal Investigator |
福智 佳代子 神戸海星女子学院大学, 現代人間学部, 教授 (50469269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 直志 奈良工業高等専門学校, 一般教科, 教授 (20311061)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小学校英語活動 / デジタルコンテンツ開発 / コミュニケーション力診断RPGゲーム / 言語習得研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、本研究の目的である「小学校英語活動において、電子機器を活用し、クラス単位で各生徒の英語力を瞬時に数値評価できるICT教材の開発、及び、すでに開発済みの双方向通信システムに蓄積されたデータの解析に取り組んでいる。具体的には、iPod TouchやiPadなどを各生徒が持ち、Role Playing Game(RPG)の中の主人公とコミュニケーションを交わす形でクラスの各生徒の英語力を瞬時に数値評価できる診断テストを作成中である。 同時に、双方向通信システムにより実証授業で集められ蓄積されたデータから、言語習得上の分析を行っている。 研究協力校である美野丘小学校5年生36名と1年生25名が本教材のRPGゲームの正答数と反応速度に相関性がみられるかどうかを検証した結果、5年生では、r=-0.232 、1年生はr =-0.212で、いずれの学年にも低い負の相関が認められた。負の相関はあい反するものの相関を示している。この検証から、得点の高い児童が短い時間で反応していることが明らかになった(FUKUCHI, KANAZAWA & KANAYAMA, 2017, “DEVELOPMENT OF A SYSTEM TO EVALUATE ENGLISH LISTENING ABILITIES OF PUBLIC ELEMENTARY SCHOOL CHILDREN IN CLASS SIMULTANEOUSLY” ICERI2017 Spain 参照)。これは、言語習得の検証ができたということだけではなく、口頭テストや観察などアナログでのデータ収集に比較すると、双方向通信システムによって、1クラス分のデータ蓄積が、1授業時間時に瞬時にクラス全員のデータが集積され、記録されたということである。Role Playing Game 上で展開される診断テストを、音声・画像情報により、児童は未知語や未知表現があっても、あいまいさを受け入れ内容を理解して楽しんでいることが、児童の振り返りカードのアンケート調査の結果からも明らかになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度から使用される小学校英語教材である3,4年生用教材, “Let’s Try”、及び、5,6年生用教材, “We Can”の言語材料の分析を行った。従来の5,6 年生用Hi, friends! のListening, Speaking活動に加え、5,6年生にはReading, Writingなど、4技能にも焦点が当たっていることから、これら教材の言語材料も参考に、問題内容・問題形式、ゲーム形式も再検討を行っている。 イラスト制作・発注にあたっては、著作権、制作依頼費用の問題等もあるので、問題内容・問題形式、RPG発問形式などが確定後、独自のイラストをイラスト制作会社に発注予定である。Role Playing Gameソフトウェア制作は、イラスト完成後になる。この制作費用が高額になることから、再作成はできないため、問題内容、診断テスト形式、背景、ストーリーの検討に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度完成予定であった教材、及び2018年度完成予定のRPG診断テスト教材の作成を行い、パイロット版で使われている著作権フリーの絵の修正、新教材の再検討と作成分の画像作成、システム開発、プログラミングを行う。従来のものに加えて、2018年度から使用される小学校英語教材である3,4年生用教材, “Let’s Try”、及び、5,6年生用教材, “We Can”の内容などを診断テスト制作に反映させる。新教材が完成次第、研究協力校での実証実験授業を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度から使用される小学校英語教材である3,4年生用教材, “Let’s Try”、及び、5,6年生用教材, “We Can”の言語材料の分析を行い、新たに作成している問題内容及び問題形式、RPGゲーム診断テストの再検討を行ったため、イラストなど画像発注、及び、システム開発、ソフトウェア制作、プログラミング発注を、RPG診断テスト再検討後にすることとした。従って、RPG診断テスト内容・形式が確定後、順次発注予定である。これにより平成29年度、30年度支払い予定分を、今年度支払う予定である。
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