2017 Fiscal Year Research-status Report
プロセス可視化により、高専生が無理なく英語論文作成技能を学べる教材の開発
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17K02963
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
青山 晶子 富山高等専門学校, 一般教養科, 教授 (40231790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 英治 富山高等専門学校, 電気制御システム工学科, 教授 (00270885)
亀山 太一 岐阜工業高等専門学校, 一般教育科目, 教授 (60214558)
武田 淳 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (60270196)
川畠 嘉美 石川工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (70581172)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ライティング / 技術英文 / 英語論文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、論理的文章を書くレディネスが整わないまま英語で論文を書くことになる高専専攻科生が、英語論文作成に必要とされる知識や技能を効果的に習得できるようにするための教材を開発することである。 今年度は、技術英文の特徴を理解するための文レベルの技能向上を目的とする教材(以下①)の開発と、論文の各構成要素を書くためのパラグラフレベルの技能向上を目的とする教材(以下②)の開発準備を行った。 ①は、冠詞の用法、能動態と受動態の使い分け、自動詞と他動詞の区別、時制などの文法事項に加え、和文に特徴的な冗長表現の単純化や欠落している主語の補完など可視化されたプロセスによる英訳法など、文法よりも語法に重点を置いた「説明+練習問題」から成る教材(暫定版)を作成した。 ②は、研究グループのメンバーが所属する高専から、異なる工学系専門分野の高専5年次卒業研究発表の日本語要旨を収集し、①での学習がないと誤訳の可能性が高い表現や、和文と対応する英訳文の文法構造が大きく異なると予想される表現などの候補を選定し、①の項目との関連性を検討した。また、研究代表者は、専攻科生を対象とするプロセス可視化による英訳授業(和文の構造分析→意図の確認→英訳用「中間和文」作成→英訳に必要な単語や構文の選定→googleや統合型オンライン百科事典サイト等のツールによる語法の確認→初版英文)を2年前より本格的に実施しており、授業実践を通じて蓄積した学生の和文英訳プロセスについて、①との連動性を検討した。今年度は、同一の和文原稿の英訳をプロの技術翻訳者に依頼し、技術英文に対する熟練度が低い書き手(専攻科生および学生の英文を添削した一般英語教員を含む)とのプロセスの違いを比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は教材開発であり、作成した教材の共有方法として、CCライセンスによるインターネット公開や、私家版テキストの印刷を候補としていたが、一部を再来年出版予定の研究代表者らの監修による理工系学生用の英語テキストの練習問題として利用することになった。そのため、新たな素材の書き下ろし、練習問題のデータベース化および問題の精選を行うことになったが、教材本体の開発についてはおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1)技術英文の特徴を理解するための文レベルの技能向上を目的とする教材を完成させるために、学習項目として取り上げる項目を決定する。各項目の練習問題は、より実践的なものになるように、収集した和文卒業研究発表要旨中の「悪文」(学生が作成しがちな、冗長で意図が不明確な文)を参考にして作成する。また、和文の構造分析→和文の書き手の意図の検討→英訳用「中間和文」の作成までの日本語処理に重点を置く練習を充実させ、プロセス途中の作業を自己評価しながら最終的な英文を作成する形式の問題を作成する。 2)卒業研究要旨の英訳を念頭に、論文の各構成要素を書くためのパラグラフレベルの技能を向上させるための教材を完成させる。教材は、パラグラフ類型の学習と論文構成要素の執筆演習の2つの部分で構成する。 パラグラフ類型の学習教材は、パラグラフの基本構造や要件と、パラグラフ類型(手順、記述、列挙・例示・類似対象、原因結果、定義、叙述など)構造を視覚的に確認理解しながら完成していく形式とする。 論文構成要素の執筆演習教材は、上述のパラグラフ類型に則り、序論、実験、結果、結論などの論文構成要素を、単独文の集合体ではなく、同一のトピックのもと論理的に連結されたパラグラフに校正し直す練習をさせるためのもので、素材となる英文は、実際の卒業研究発表要旨や実験や実習で使用される文章を参考にして書き下ろし、より実践的な問演習問題の作成を目指す。
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Causes of Carryover |
和文要旨1本につき2社の製品を比較する予定であったが、当該年度内予算では1社にのみ発注したため、未使用額が発生した。 文レベルの教材は、理工系学生用の英語テキストの和文英訳練習問題としての出版をめざし、研究分担者との打ち合わせや、学会での成果発表のための旅費を使用する。 パラグラフレベルの教材は、学生による卒業研究発表要旨の英訳作業とプロによる英訳版との比較検討を継続するため、技術翻訳料を使用する。さらに、理工系学生が初めて取り組む英語論文作成技能習得用のテキストとして、使用されている和文や英文表現のチェックをしてもらうため、技術翻訳者による校閲料を使用する。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Improvement of Skills in Interactive Teaching through Objective and Quantitative Evaluation by Students and Teachers2017
Author(s)
K. Wako, M. Sekido, S. Hlamanishi, M. Okumura, J. Takeda, H. Ishi, Y. Miyazaki, S. Hongo, H. Sakuraba, H. Yamada, S. Yairi, H. Yagyu, M. Matsubara, K. Suzuki, Y. Tanaka and M. Oshima
Organizer
The 11th International Symposium on Advances in Technology Education, ISATE 2017