2017 Fiscal Year Research-status Report
Effects of lexical access and sentence structure complexity on English rate perceived by Japanese learners of English
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17K02980
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
広実 義人 目白大学, 外国語学部, 教授 (30269469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 速度知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、語彙アクセス速度に代表される言語処理能力と文構造の複雑さが日本人の知覚する英語の速さに与えている影響を調査し、外国語速度知覚の本質を明らかにすることである。申請者のこれまでの研究で、英語が速く聞こえる要因は主として単語親密度が低いことであると判明した。しかし、静的な語彙知識以外にも動的な言語処理能力に関わる要因があるはずである。また、言語は構造を持つゆえに文構造も関与している可能性がある。速度知覚と言語処理能力との関係が明らかになれば、英語がどのくらい速く聞こえるかが新たなリスニング能力の指標になる可能性がある。 平成29年度には以下の実験1~5を実施し40名の被験者からデータを収集することが目標であった。実験(1)様々な速さをもつ英文を聞かせ、その速さを7 段階のスケールで評価してもらう。(2)3 個の英単語をできるだけ速く10 回繰り返して発音してもらい、かかった時間を測定する。(3)英文パッセージをできるだけ速く読み上げてもらい、かかった時間を測定する。(4)30 個の英単語を音声で提示し、できるだけ速くその単語を復唱してもらう。刺激を提示してから復唱を始めるまでにかかった時間を測定する。(5)文構造や構文の異なる英文を2 個一組にして音声で提示し、どちらがどのくらい速く聞こえるか回答してもらう。 実験実施に先だって平成29年4月に倫理申請をしたところ、条件付き承認となったため同年6月に再申請し無事に承認された。同年7月以降、被験者の募集を開始したのだが予定通りの人数が集まらなかった。倫理申請と被験者募集に並行して実験の準備を進めた。実験1~4までの準備は完了したものの、実験5の準備、すなわち刺激となるセンテンスの文構造の決定、および合成音声の作成に時間がかかってしまい、平成29年度中には完了できなかった。したがって、実験を実施するには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
十分な人数の被験者を確保することができなかった。 実験の準備のうち、特に実験5の準備に予想以上に時間がかかってしまった。したがって、現段階では研究は遅れた状況になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者については引き続き募集を続けていく。募集の範囲を広げる必要性もある。 実験5の準備については平成30年度に入ってから進展し、ようやくセンテンスの文構造が決定した。合成音声についてもシステムの問題が解決し、やっと順調に音声合成ができるようになった。なるべく早く実験を開始し、平成30年7月中に必要数の実験データがすべて収集できるよう研究のペースを上げていく。夏期休暇中に実験データの分析と文献調査を終え、平成30年度後半には研究発表を行い、論文の執筆を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
所属機関から臨時の研究費が支給されたため研究資金に余裕ができた。また、国外で研究発表する予定だったが研究課題が不採用となり学会に参加できなかったため。 本年度はもう一度発表内容を練り直したのち他の学会に応募する。計画における学会発表を1回追加することによって次年度使用額を使用する。
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