2020 Fiscal Year Research-status Report
Effects of lexical access and sentence structure complexity on English rate perceived by Japanese learners of English
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17K02980
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
広実 義人 目白大学, 外国語学部, 教授 (30269469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 速度知覚 / 語彙アクセス / 文構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、語彙アクセス速度に代表される言語処理能力と文構造の複雑さが日本人の知覚する英語の速さに与えている影響を調査し、外国語速度知覚の本質を明らかにすることである。 2020年度の目標は、2019年度に実施した実験結果を踏まえた上で、さらに刺激音に改良を加え、追加的な実験を行うことだった。刺激音に改良を加えるとは、音声に加工、編集を加えることではなく、刺激音となる例文を見直すということであった。 これまでの研究から、学習者は構造的に長い文(構造のせいで長くなってしまう文)や日本語の語順と著しくかけ離れた構造を持つ文を難しいと認識しているらしいと推測された。そこでまず、高等学校までの英語の授業で構文として教えられている文のリストを作成した。次に、そのリストを学習者に提示してそれぞれの構文の難易度を判定してもらう予定だった。しかしながら、コロナ禍のためリストの作成までは完了したが、難易度の判定まではできなかった。難易度の判定が終わらなければ、刺激音に使う例文の選定もできないので、必然的に実験も実施できなかった。 刺激音の作成に備えて、合成音声作成環境の整備を行った。使用している合成音声システムは開発が停滞しているので古いソフトウェア環境でなければうまく稼働しない。パソコンのシステムアップデートにともない合成音声システムが起動しなくなってしまったので、問題点を調査して正常に稼働するように整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度はコロナ禍の影響で調査、実験が全く行えなかった。そのため、研究は遅れた状況になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も被験者と対面で実験を実施することは困難であることが予想されたので、オンラインで実験を実施する方法を模索した結果、専用ソフトウェアの導入することにした。 構文の難易度を判定したら速やかに例文を決定する。そして刺激音作成にあたっては、その方針を次のとおりとする。(1)これまでは刺激音の統制にこだわりすぎて文の長さを一定にするよう努力していたが、文構造と文の長さは独立したものではなく、文構造が変われば文の長さも変わると見なす。(2)必ずしも同じ単語を使う必要はなく、親密度がほぼ同じなら別の単語を使ってもよいこととする。 以上の2点を基本方針として刺激音の作成を早急に行う。その上で、なるべく早く実験を開始したい。2021年7月中に必要数の実験データがすべて収集できるよう研究のペースを上げていく。夏期休暇中に実験データの分析と文献調査を終え、2021年度後半には研究発表を行い、論文を完成させる予定である。
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Causes of Carryover |
実験協力者への謝金として使用するつもりだったが、コロナ禍のため予定通り実験を実施することができなかった。また、予定していた国外での学会発表も実現しなかったため、次年度使用額が生じた。 2021年度には実験ソフトウェアの購入、実験協力者への謝金、および国内での学会発表の旅費交通費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)