2021 Fiscal Year Research-status Report
Effects of lexical access and sentence structure complexity on English rate perceived by Japanese learners of English
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17K02980
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
広実 義人 目白大学, 保健医療学部, 教授 (30269469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 速度知覚 / 語彙アクセス / 文構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、語彙アクセス速度に代表される言語処理能力と文構造の複雑さが日本人の知覚する英語の速さに与えている影響を調査し、外国語速度知覚の本質を明らかにすることである。 2021年度の目標は、(1)英語の様々な構文の難易度を測定する、(2)その結果を基に刺激音に使用する例文を決定する、(3)速やかに合成音声を用いた刺激音を作成する、(4)対面またはオンラインで実験を実施する、(5)分析結果をもとに論文を作成し学術雑誌に投稿する、であった。これらのうち2021年度中に達成できた目標は(1)と(2)そして(4)についてはその準備までしか達成できなかった。以下に概要を説明する。 構文の難易度については次の方法で判定、ならびに測定した。まず、日本人英語学習者8名を対象として聞き取り調査を行い、どのような構文がすんなりと頭に入り、どのような構文がそうでないか回答してもらった。次に、聞き取り調査を行ったのと同一の日本人英語学習者8名を被験者として、典型的に学習者が苦手とする英語の構文を音声で48個提示し、それぞれの難易度を5段階で評価してもらった。48個の構文のうち難度、易度それぞれについて、被験者の評価の一致度が比較的高いものを本実験に用いる刺激音の候補とした。また、今回選定した構文に加えて2019年度に実施したパイロット実験で使用した刺激音も本実験で用いることにした。 2021年度も全面的な対面授業が始まらなかったことに加え、年度の途中で突然、別キャンパスへの配転を命じられたため、被験者の募集がうまくいかなかった。このままの状況が続けばもしかすると実験が実施できないと判断し、オンライン実験ができるソフトSuperLab Remoteを導入した。しかしながら刺激音の合成がまだ完了していなかったので実験実施までには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は引き続きコロナ禍の影響で調査、実験が思うように行えなかった。さらに年度の途中で突然、別キャンパスへの配転を命じられたため研究室の引っ越し作業に忙殺されて研究活動に大幅な支障が出た。そのため、研究は遅れた状況になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
構文の難易度判定を終え、例文も決定したので、可及的速やかに合成音声で刺激音を作成する。これまで被験者の募集に苦労していたが、2022年度は配転前のキャンパスと配転後のキャンパスの両方で被験者を募集することが可能になったし、オンラインと対面の二つのモードで実験を実施できるようになった。さらには、全面的な対面授業が始まり学生がキャンパスに戻ってきたので、被験者の募集状況は改善されることが期待できる。 極力早期に実験を開始し、2022年7月中に必要数の実験データがすべて収集できるよう研究のペースを上げていく。夏期休暇中に実験データの分析と文献調査を終え、本年度後半には研究発表を行い、論文を完成させる予定である。
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Causes of Carryover |
実験協力者への謝金として使用するつもりだったが、コロナ禍のため予定通り実験を実施することができなかった。また、予定していた国外での学会発表も実現しなかったため、次年度使用額が生じた。 2022年度には主として実験協力者への謝金、国内での学会発表の旅費交通費、文献購入、出版費用として使用する予定である。
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