2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of lexical access and sentence structure complexity on English rate perceived by Japanese learners of English
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17K02980
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
広実 義人 目白大学, 保健医療学部, 教授 (30269469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 速度知覚 / 語彙アクセス / 文構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、語彙アクセス速度に代表される言語処理能力と文構造の複雑さが日本人の知覚する英語の速さに与えている影響を調査し、外国語速度知覚の本質を明らかにすることである。本研究で明らかになったことは以下のとおり。 (1)速度知覚に差があること。日本語母語話者と英語母語話者に35個の英文を音声で提示し、その速さを7段階で評価させた。その結果、日本語母語話者は英語母語話者より英語を速いと知覚していることが主観的ではなく客観的に明らかになった。(2)語彙アクセスに差があること。日本語母語話者と英語母語話者に66個の英単語を音声で提示して復唱させ反応時間を測定した。その結果、日本語母語話者は英語母語話者より復唱に時間がかかることがわかった。(3)読み上げ速度に差があること。日本語母語話者と英語母語話者に英文パッセージをなるべく速く読み上げさせ、かかった時間を測定した。その結果、英語母語話者は日本語母語話者の約2倍の速さで読み上げる能力があることがわかった。(4)読み上げ速度が遅い人は、読み上げ速度が速い人よりも、英語を速いと知覚していること。日本語母語話者を読み上げ速度が速いグループと読み上げ速度が遅いグループに分け、35個の英文を音声で提示し、その速さを7段階で評価させた。その結果、読み上げ速度が遅い人は読み上げ速度が速い人よりも英語を速いと知覚していることがわかった。(5)文構造の複雑さは知覚速度に影響を与えているが、個人差が大きいこと。文の構造は異なるが、その他の条件、例えば使用語彙や文の長さが同じ文を3から5文ずつペアにして日本人英語学習者に提示し、どちらがどのくらい速く聞こえるか回答させた。その結果、仮主語構文が日本人には速いと知覚されることがわかった。ただし、個人差が大きいこともわかった。 2022年度は上記のうち(5)について論文にまとめ、学術雑誌に投稿、掲載された。
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Research Products
(1 results)