2018 Fiscal Year Research-status Report
韓国語教室における国際間交流授業モデルの開発及び構築
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17K02981
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
OHE HyeーGyeong 国際基督教大学, 教養学部, 課程准教授 (80552372)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 異文化間コミュニケーション / オンライン交流授業(COIL) / 韓国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度に実施した1回目の日韓オンライン交流授業の成果を1)アンケート、2)学生からのフィードバック、3)ビデオ録画、に分けてそれぞれ分析を行った。アンケートは、①交流授業 ②言語使用および能力 ③異文化間能力の3項目に分けて実施したが、分析の結果、日韓の学生は交流授業について満足度が高く、今後も続けたいと答えた。自分の言語能力に関連して、韓国側の学生は「普通」、日本側の学生は「低い」とそれぞれ答えている。言語能力における自己評価は韓国側で高くなっているが、今回の交流学習によってモチベーションがより高くなったと答えたのは日本側の学生だった。異文化間コミュニケーションついても、日本側の学生が自分をより高く評価したが、言語能力と異文化能力がかならずしも一致しないということがうかがえる結果であった。コメントシートによる学生からのフィードバックでは、使用機材の改善を要求する意見が多かった。事前に何度も機器の作動状況を確認したのにもかかわらず、日本側で使った無指向性マイクが時々うまく作動せず、交流授業に支障を与えた。同じ機材であっても教室など、使用環境によって異なる可能性もあるので、より多角的に点検を行う要がある。最後に、ビデオ分析の結果、日本側の学生は全員交流授業に積極的に臨んでいたが、韓国側では一部の学生、特に中国や日本からの留学生が消極的な態度を見せていることがわかった。今後、交流授業のパートナ選定の際に、語学能力に加え、交流へのモチベーションも考慮する必要があるだろう。
第1回目の交流授業で気づいた点を修正・補完した形で2018年度も韓国のCAUとオンライン交流授業を実施する予定だったが、諸事情で直前キャンセルになった。結局、その後交流先が見つからず、2018年度に予定されていた第2回目の交流授業は2019年度に先送りして実施することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度に実施した交流授業に関連して、その結果の分析および成果発信では予定通り順調に進展している。ただし、予定されていた第2回目の交流授業実施については、やむを得ない事情で少し遅れる結果となった。上述の通り、2017年度につづき、2018年度も韓国の中央大学校(CAU)の学生とオンライン交流授業を実施する予定だったが、交流授業の担当教員が突然病気になり、当分授業を担当できなくなったため、予定されていた交流授業はキャンセルになった。その後、急遽他のパートナを探したが、韓国の大学ではシラバス入力などがすでに終わっている時期でもあり、結局交流授業に適切なパートナを見つけることはできなかった。その後、韓国の仁川大学校(INU)で日本語を教えている教員がICUとのオンライン交流授業を希望してきたため、予定より少し遅れてはいるが、2019年度1学期には交流授業を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度1学期に、第1回目の交流授業で気づいた点を修正・補完した形で韓国の仁川大学校(INU)日語教育学科の「日語購読」の受講生〔担当:CHOI, EUN HYUK、約15名~20名〕と日本国際基督教大学(ICU)教養学部の「上級韓国語Ⅰ」〔担当:OHE, HYEGYEONG、約15名~20名〕の間に、7回にわたって第2回目の交流授業を実施する。第1年目と同じく、毎回の授業の様子をビデオで録画し、毎回の交流授業が終わってから学生にコメントを書いてもらう。交流授業が全て終了した後は、1回目のアンケートの質問を少しだけ修正・補充する形で、交流授業 言語運用能力、異文化間コミュニケーション能力に分けて量的調査を行う予定である。その後、第2回目の交流授業について量的・質的分析を行う。なお、本研究課題の最後の年にもあたるため、これまでの日韓オンライン交流授業を総合的に分析し、プロセス中心アプローチを導入した国際間交流授業が受講生の異文化間コミュニケーション能力に与えた影響について多角的な観点から考察を行う。さらに、日本における外国語教室において今後も持続可能な国際間交流授業モデルを構築するために必要な提案を行う。なお、本研究の結果を学会発表、論文などで国内外に発信する。
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Causes of Carryover |
今年度実施予定の交流授業が来年度の春学期に先送りになったため次年度使用額が生じた。来年度の春学期に実施予定のアクション・リサーチの分析のためにRAを雇う予定である。
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