2017 Fiscal Year Research-status Report
日本人英語学習者の接辞知識の独立性と教育的干渉による影響
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17K02985
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
磯 達夫 東京電機大学, 工学部, 准教授 (40438916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 一美 東京電機大学, 工学部, 教授 (00222448)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 接辞知識 / 日本人英語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、日本人学習者が英語の接辞の知識をどのように保持しているかについて調査を行った。 先行研究では、接辞と単語を組み合わせた状態で保持しているという説と、必要に応じて接辞と単語を組み合わせて使うために、別々に保持しているという説、さらに、それらの保持の仕方は二律背反ではなく、接頭辞や接尾辞のような、接辞の種類に応じて両方の状態が存在しているという説が提案されている。 本研究では、独自に開発した接辞知識テストを用いて、高頻度語と低頻度語のに対する日本人英語学習者の接頭辞の知識を測定した。接頭辞のみに焦点を当てた理由は、日本人英語学習者は動詞の屈折変化などを通して学習初期段階から接尾辞に触れており、接尾辞は「語に付加するもの」という見方ではなく、語尾を変化させた結果、様々な語に共通に見られる特徴であるという見方をしてしまっている恐れがあったからである。 接辞知識テストでは、non-, un-, in-, ante-, anti-, arch-, bi-, circum-, counter-, en-, ex-, fore-, hyper-, inter-, mid-, mis-, neo-, post-, pro-, semi-, sub-, pre-, re-の23の接辞に対し、高頻度語2語、低頻度語2語の合わせて4語を用意した。接辞の知識があれば、既知の語幹と接辞を組み合わせることが出来るという仮定のもと、テストではまず被験者に語幹の意味を提示した。その後、接辞語(接辞がついた語)の日本語訳を提示し、4択の中から、適切な英単語を選択させた。 接辞知識テスト(α= .83)の結果から、頻度の高い接辞語の正解率が低頻度語の正解率よりも高いことが明らかとなった。このことから、高頻度語はその出現率や使用率の高さから、接頭辞を付加した状態で保持されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の1つである、日本人英語学習者の接辞知識の独立性に関するデータを収集することが開始出来ている。現段階では接頭辞の知識のみを調査しているが、今後は接尾辞の調査をしなければならない。
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Strategy for Future Research Activity |
接頭辞・接尾辞のそれぞれの知識が受容的・発表的に用いられる場面で調査を行い,先行研究とは異なる方法で同仮説を検証する 。さらに,接辞知識が学習者の英語習熟度によっても変化することも予測できる。そこで,本研究では,学習者の英語習熟度も要因に加え,多角的に心的辞書内の接辞知識の状態を調査する。その際に,英語母語話者も研究対象者に含め,彼らの接辞知識の様相を調査し,日本人英語学習者の接辞知識と比較する。 また、教育的干渉が接辞知識の独立性にどのような影響を与えるか、つまり、指導を行うことにより、独立から非独立への変化,またはその逆方向の変化が起こるかについての調査を行う。
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Causes of Carryover |
オンラインテスト配信用サーバーを構築する目的で予算を計上していたが、運営・管理の利便性を考慮し、また、テストが開発途中段階であることの2つの理由から、現段階ではレンタルサーバー上にテストを設置している。そのために、相当額の次年度仕様金が発生した。 今後、オンラインテストに改良を加え、さらに、オンラインでの接辞の学習を可能にする教材の開発を計画中であり、助成金はこれらの目的で使用する予定である。
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Research Products
(1 results)