2017 Fiscal Year Research-status Report
ペアワークにおける学習とL2モチベーション:社会文化理論からの考察
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17K02992
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田中 貴子 同志社大学, 文学部, 准教授 (50434676)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 英語教育 / 学習意欲 / 協働学習 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクティブラーニングへの関心が高まりとともに、ペアおよびグループワークがその有効な実践方法のひとつとして活用されている。その学びの形態の経験者たちを受け入れる大学もまたその変化に対応していく必要がある。また、第二言語・外国語教育においてもコミュニカティブな言語教授アプローチ (Communicative language teachingやタスクを中心とした教授法であるTask-based language teachingが主流の教授法・指導法となって以来、ペアおよびグループワークの重要性は広く認識されるとともに実践されている。しかしながら、ペアおよびグループワークを教室活動に取り入れることがそのまま学びにつながっているとは言い難く、どのような協働学習が学習者にとって有益な経験となるのか、についてはまだ多くはわかっておらず、さらなる研究が必要である。
本研究は、ロシアの発達心理学者ヴィゴツキーの社会文化理論 (Vygotskian Sociocultural theory)を理論的枠組みとしペア活動におけるプロセスとプロダクト、そしてモチベーションの発達に焦点をあてる。ペア活動に従事しているL2 モチベーションと英語力が異なる学習者たちが学習内容の理解とモチベーションをどう構築していくのかをミクロジェネティックなレンズを通して詳細に追究する。具体的には L2モチベーションや英語力の異なる二人のペア活動において、個々人の、そしてペア間の英語学習やモチベーションはどのように共構築されるのか、そしてその結果に対して、モチベーションや英語力の相違はどのような影響を与えるのだろうか?をテーマに考察する。
平成29年度は初年度で本研究のための準備を進めた。例えば、L2モチベーションについてのアンケート、ペア活動のタスクの検討、関連分野の研究の動向を追った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定では予備調査を実施することも視野に入れていたが、予備調査段階の協力者の数や予定の調整、またペアリングのバリエーション(異なる英語力やL2モチベーションの学習者を組み合わせる)を作ることが難しいことなどで2018年度へ持ち越しとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は、春に予備調査を行い、その分析をし、秋に本研究のデータ収集を行えるよう備える。
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Causes of Carryover |
予定していた予備調査が、研究目的に即した形でのペアリングのバリエーションを作ることが難しいこと、また協力者の数や予定の調整などで2018年度へ持ち越しとなっているため。持ち越した助成金は、2018年度に行う予備調査の参加者への謝礼、またそのデータの書きおこし作業への謝礼として使用させていただく。
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