2019 Fiscal Year Research-status Report
ペアワークにおける学習とL2モチベーション:社会文化理論からの考察
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17K02992
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田中 貴子 同志社大学, 文学部, 准教授 (50434676)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 英語教育 / 学習意欲 / 協働学習 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本調査は、第二言語(英語)の習熟度や教材のトピックへの関心度の相違等を考慮に入れたペアを作成し、協働学習における学びとモチベーションの構築について考察していくものである。
2019年度は、5か年の事業計画の3年目にあたる。昨年度に引き続いてデータ収集を行い、その分析と学会発表、そして分析方法の見直しを行った。2018年度春休みからデータ収集を始めたが、習熟度やマテリアルの興味に関する違い等を考慮に入れたペアリングの必要性及びスケジュールの調整のため、2019年度4月以降にも引き続いてデータ収集を行った。研究協力を希望してくれた人たちの中から、1) TOEFL-ITPのスコアと2)調査で使用するマテリアルの題材であるバイリンガリズムに関する興味(self-reported)を軸にペアリングを行った。英語力が同等レベルでバイリンガリズムへの興味に差が見られるペアと英語力に差が見られるがバイリンガリズムへの興味が似ているペアの2ペアである。それぞれのペアに [1] reading task (個人) → (休憩) →[2] pair work → (休憩) → [3] post reading task (個人)に取り組んでもらった。すべての過程を録画し、同日中にそのビデオを見ながら、自身のモチベーションの変化とその理由について振り返り用紙に記入してもらった。それらをもとにしてstimulated recall interviewを個別に行った。
TOEFL-ITPのスコア及びトピックへの関心度も近いペアのデータを用いて予備的な分析を行い、英国応用言語学会2019年年次大会にてポスター発表を行った。また、本研究のテーマに精通している研究者の方々との交流で有益なフィードバックをいただき、分析方法等の再検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2つ目のペアのデータの書き起こしの予定が遅れていること、そして、他の研究者の方々との交流の中で、データの分析等について再検討の必要性を認識し、それに取り掛かっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
書き起こしを終えていないデータの書き起こしを終えること。そして、分析方法を見直し、改めてペアごとのデータ、そして二つのペアの比較などの分析を進めていきたい。
学会発表等が難しい一年となりそうだが、その機会を求めつつ、またオンラインを活用し他の研究者の方々との交流を持って本研究に取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
研究協力者が予定していたよりも少なくなったこと、またペアワーク中のデータの書き起こしのアルバイトを依頼できる人が見つからなかったこと、海外発表時の旅費を他の研究費より支出したことなどが主な理由である。 本研究のデータはペアワーク中の対話から個別インタビューのパーソナルな内容を含むものもあり、対応を変える必要があるため、データの種類によって外部依頼をしたり、自動音声認識の機器の導入などを活用していくとともに、研究発表の機会も求めていく予定である。
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