2022 Fiscal Year Research-status Report
ペアワークにおける学習とL2モチベーション:社会文化理論からの考察
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17K02992
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田中 貴子 同志社大学, 文学部, 准教授 (50434676)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 英語教育 / 学習意欲 / 協働学習 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本調査は、第二言語(英語)の習熟度(TOEFL-IT@のスコアを使用)や教材のトピック(バイリンガリズム)への関心度(Self-reported)の相違等を考慮に入れたペアを作成し、協働学習における学びとモチベーションの構築についてヴィゴツキーの社会文化理論の観点から考察する考察していくものである。
2022年度はPair 2(英語力の差がありバイリンガリズムへ関心度が似ている組み合わせ)のデータ分析を進めた。 そして、Pair1(英語力が同レベルでバイリンガリズムへの興味に差が見られる)とのデータ比較を進めた。どちらもCollaborative (Storch, 2002)に該当するペアで、それぞれ活動の課題パッセージの理解について協働的に取り組んでいた。理解度はペア活動前の個人活動時よりもペア学習後の方が向上していた。モチベーションの変化については、対話の中で疑問が解決されていくときには高まり、逆に課題の単調さや疑問が解決されない時には「面倒になった」などのセリフやインタビューでのコメントが見られた。しかし、この課題への意味(価値)づけにより内容について深く語り合う姿勢は異なっており、課題設定の単調さや難易度が参加者の課題解決へのモチベーションの低下に影響していた。同時に、対話の中で理解の深まりや気づきがあるとモチベーションが高まったと感じる傾向がみられた。両ペアの理解とモチベーションの変化の軌跡、英語力の違いやトピックに対する関心の違いが与える影響についてより詳細に分析を進めていく。「軌跡」を考察するという点から複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach: TEA)の知見を得た。本研究における本アプローチの有用性を考えるとともに、これまでに考えてきた分析法の再検討も始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初より研究参加者の募集やスケジュール調整により遅れ気味であったが、新型コロナの影響による変更の対応及びそれに伴う諸事情により研究時間の確保が困難であった。また、昨年度はデータ分析方法についても予定していた分析とは異なる新たな手法について考慮したため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度より進めているペア比較分析をまとめるとともに、論文や学会発表の準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
国内外の学会発表や参加を予定していたが、諸事情により出張できなかったため。次年度は学会参加や論文の準備を進めたい。
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